![トリアド工房(左)とプラスチックダンボールを基にした「ダンプラシート」などを手掛ける第一合成が題材に](https://images.keizai.biz/hachioji_keizai/headline/1577086122_photo.jpg)
日本デザイン振興会(港区)は12月17日、八王子市内の企業2社も題材となった2019年度の「東京ビジネスデザインアワード」のテーマ賞を決定した。
東京都が主催し同会が企画・運営する同賞。2012(平成24)年に始まり、今年で8回目。都内の中小企業が持つ技術や素材などを題材にし、それを基に新たなビジネスの提案を募る企業参加型のデザイン・事業提案コンペティションとして位置付けられている。
今年は博物館などの施設の展示造形物を手掛けるトリアド工房(八王子市大塚)による「文化財レプリカ製作で培(つちか)った『模型製作技術』」と、段ボール箱をはじめとした梱包(こんぽう)材などを手掛ける第一合成(元本郷町1)の「繰り返し使え、耐久性に優れた『ダンプラシート』」など9件をテーマとして選出。10月下旬まで広くデザイナーやプランナーなどからの提案を受け付けていた。
期間中、全国のクリエーターから161件の提案が寄せられ、その中から審査会による1次審査、テーマ選定企業も交えた2次審査を経て、9件のテーマ賞を選出した。同会は今回の同賞の特徴について、「従来のものづくりの枠にとらわれない柔軟な発想による提案が数多く受賞」したと説明する。
この内、トリアド工房のテーマについては、クリエーティブディレクターの山本伸明さんらが提案した「模型製作技術を活(い)かした家族の思い出を手元に残すサービス」を選んだ。第一合成に対しては、プランナーの多湖俊一郎さんらによる「素早く空間設計ができるダンプラ製オフィスツール」に決めた。
選ばれた提案については、来年2月5日に東京ミッドタウン(港区)を会場に、受賞したクリエーターが一般公開でプレゼンテーションを行う最終審査を踏まえて、最優秀賞など各賞を選出する。会場では発表内容に合わせ、試作品やビジネスモデル図なども展示される予定。今後、企業とクリエーターは協働し、提案の実現に向けた取り組みを進めていくという。