八王子に牧場を持つ磯沼ミルクファーム(八王子市小比企町)が、自身の農地を活用した「八王子モーモー体験農園」を新たに立ち上げる。2月15日・16日、利用希望者向けの説明会を開催する。
京王線・山田駅から徒歩5分の場所に牧場を展開している磯沼ミルクファーム。今回は放牧場近くの農地約1200坪を活用。八王子を中心に都市型農業の発展を目指して、生産者と消費者をつなげる活動を行っている「畑会(はたかい)」のサポートを得て、今春にも新たに一般から利用希望者を募って体験農園を始めることにした。
個人や家族、グループなどが利用することができ、ダイコンやニンジンなど決められた野菜を育てるもので、種や苗、農具などは農園側が用意。畑会の舩木翔平さんは「手ぶらで長靴さえあればいい」と話す。家族向きの6平方メートル区画(月額4,200円)と、より規模の大きな14平方メートル区画(同6,700円)、法人区画を展開する。月2回のペースで野菜の育て方を教える講習会の開催も計画しているという。
今回、農園を手掛ける磯沼正徳さんは「父が野菜の勉強をしていたので、昔はトマトを作ったり、ダイコンを作っていたりしていた」と振り返る。「今まで牛の餌を作っていたが、上手に管理できずにいた。畑はやわらかいし堆肥もよく入っていてふかふかなので、野菜が作れないかと思っていた。だったら、農業体験ができる場を作りたいと思い、畑会に私たちが足りないところをサポートしてもらう形で詰めてきた」と話す。
「八王子モーモー体験農園」という名称については、「牧場に隣接している畑で、駅にも近く利便性もある。牛が見えるという意味でくだけた形にした」と磯沼さん。「農業の勉強ができ、土と親しんでもらえる。牧場のイベントも常日頃行っているので、そういったものと合わせて楽しめるのでは。街の中の牧場を生かすという意味でも、子どもたちが育つ空間にもなれば」とアピールする。
舩木さんは「体験型の農園を作ろうと思っても、そう簡単に好きな場所でできるわけではない」と話し、「畑会としては農業コミュニティーというものをキーワードにしているので、いかに畑でコミュニティーを作るかについても取り組みたい。毎日来ても楽しめるような空間が畑でも作れたらいい」と意気込む。
説明会の開催時間は両日とも10時~12時。参加には事前の申し込みが必要。