持ち帰り用のクラフトビールを販売する「TOYODAクラフトビールまつり」が6月7日、中央線・豊田駅南口近くの東京薬科大学バス発着場を会場に開かれる。
「10ants Brewing」はオリジナルグラウラーでの量り売り販売も実施
例年、クラフトビールを手掛ける各社が一堂に会し、物販などを展開する同イベント。今回は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、東京都が打ち出したロードマップに沿ってイベントを企画。クラフトビールのテークアウト販売会として開催し、購入には事前登録を受け付けることにした。
テーマは「おうちで安全に楽しいビールまつり」。物販には「TOYODA BEER」を手掛ける石川酒造(福生市)のほか、オリジナルビール造りを体験できる醸造所「Shared Brewery(シェアード・ブルワリー)」(八王子市長沼町)、狛江市に拠点を置く「Izumi Brewery(イズミ・ブルワリー)」「10ants Brewing(テンアンツ・ブリューイング)」の4社が出店する。
日野市豊田地区は「多摩地域最古」とも呼ばれるビール工場があり、1886(明治19)年から少なくとも1894(明治27)年ごろまで、ビールが造られていたとされる。2015(平成27)年には当時のラベルを復刻したクラフトビール「TOYODA BEER」の販売を開始。この復刻を機にイベントが始まった。
「TOYODA BEER」のプロジェクトに実行委員長として関わり、同イベントも手掛ける増島清人さんは「例年は駅前の区画整理用地の空き地を借りて、飲食ブースや音楽ステージを設け、家族や仲間で楽しんでいただけるようなイベントを開催しているが、今年は空き地を借りることができなかった。コロナ禍によって3密状態を避けなければならないため、イベントの形態を取ることもできなかった」と説明。
「通常であれば見送るのが妥当な判断かと思うが、私たちは単なるビールイベントとして開催しているわけではなく、まちづくりをテーマとしたイベントとして毎年回を重ねていくことが大切だと考えている。今の環境下でできることを模索しながら、しっかり安全に開催しようという判断に至った」と増島さん。
参加する各社は、500ミリリットルのペットボトルにクラフトビールを詰めて販売するという。中でも、「10ants Brewing」は、オリジナルロゴが入ったビール専用水筒「グラウラー」を使った量り売りも行うなど工夫。増島さんは「もちろん水筒なので、使用後は洗ってまた使える」とアピールする。
増島さんは「会場の広さは昨年の10分の1以下。飲食スペースも用意していないため、ビールが温まらないうちに家に持ち帰り、おいしく飲んでいただくことをお勧めする。来場を検討される方は、その点を配慮いただければ」とした上で、「『ウィズコロナ』の状況はしばらく続くが、ただ恐れるばかりでなく、どこかで発想を切り替えてきちんと向き合っていかなければならない。気持ちも収縮してしまう日々の中、この一日は晴れやかな気持ちで過ごしていただければ」と期待を込める。
開催時間は11時~19時。参加申し込みは、イベント案内サイト「こくちーず」で受け付けている。雨天決行。