八王子の有志がテレワークで合唱した映像をつないだ、ご当地ダンスソング「ぼくらの八王子」の動画が6月3日、ユーチューブで公開された。
「ぼくらの八王子」は、2009(平成21)年秋に発表されたオリジナルソング。市が八王子をテーマに子どもから大人まで楽しめる曲を作ろうと、振付師で「創作あそび作家」の「たにぞう」こと谷口國博さんと、編曲家の本田洋一郎さんに制作を依頼。谷口さんが曲・歌、振り付け、八王子出身のヒップホップミュージシャン「ファンキーモンキーベイビーズ」が詞を手掛けた。2016(平成28)年には、シティープロモーションの一環で地元市民らが多数出演する公式プロモーションビデオも制作、公開された。
今回は新型コロナウイルス感染症を受け、医療・介護従事者などにエールを送ろうと市内で認知症をテーマとしたマラソンイベントなどを手掛ける「RUN伴(とも)+はちおうじ実行委員会」が企画した。動画には「たにぞう」さんのほか、「八王子観光PR特使」を務めるバンド「フラチナリズム」「UPLIFT(アップリフト)」、ご当地ヒーロー「転成合神(がっしん)ゲンキダーJ」、地元のパフォーマンスグループ「レインボーズ」などが登場。動画の冒頭では石森孝志八王子市長もコメントを寄せている。
それぞれが歌っている様子を自ら撮影、データを送ってもらうテレワークスタイルを採用。同会の善福章仁さんは「新型コロナウイルスによる『STAY HOME』が続く中、出演者の誰もが気軽に安全に参加できるのではないか、自粛の中だからこそ少しでも楽しく乗り切るためのツールとして活用してもらえるのではないかと考えた」と話す。
集まった動画は映像ディレクターの野口広光さんが編集し作品に仕上げたという。「最初、私が動画の編集をしようと考えていたが、市長をはじめ多くの出演者が決定していく中で、より良いものにするためには編集のプロにお願いした方が良いと考えた。八王子在住で多くの映像製作を手掛けている野口さんが快く引き受けてくださった。野口さんの存在こそが一過性で終わるか、後世に継げる映像になるかの大きな分岐点だった」と善福さん。
公開から1週間で約2000回視聴されており、出演者からも「すてきな動画が完成して、とてもうれしい。こんな時だからこその経験をさせていただいた。いい思い出になった。多くの友人から『元気をもらった』とメッセージが届いた」(原文ママ)などのコメントが届いているという。
善福さんは「この度、八王子を愛する多くの方に協力いただき『ぼくらの八王子テレワーク合唱』の動画が完成した。東京アラートが発動され、予断を許さない状況が続いているが、再び『笑顔が絶えない街 八王子』を取り戻せるよう、あと少しみんなで頑張りましょう」と呼び掛ける。