精密微細加工などを手掛ける「ナラハラオートテクニカル」(八王子市楢原町)が7月16日、新たな自社ブランド「『NA』design+m」の第1弾として、カセットテープの形をした名刺入れ「CASSETTE → CARD CASE」の販売を始めた。
今後に向け素数をモチーフにした定規など新商品の開発も進めている
本業の傍ら、自社ブランド「『NA』design」を展開している同社。3月には設計にAI(人工知能)を活用した名刺入れ「ジェネレイティブデザインカードケース」を発売するなど、さまざまな製品を世に送り出している。
今回は「『NA』design」のコンセプトにとらわれない製品を取り扱うブランドとして、「『NA』design+m」を立ち上げ。第1弾商品として、カセットテープを模した名刺入れを開発した。名刺入れを収納するカセットテープケースと同じ形をした透明ケースと、曲名などを書くインデックスを付属。本体上部に名刺が飛び出ないように取り付けられたストッパーは、カセットテープの誤消去防止用ツメをモチーフにするなど細部もこだわった。
日頃は金属の加工を手掛けているという同社の長谷川純也さんが空いた時間を使って作り上げた。「カセットテープの形自体、面白そうだと思って作ってみたら、名刺にちょうど合うサイズだった」と長谷川さん。表面のヘアライン加工など一つずつ手作業で作り上げており、長谷川さんは「切削加工としては早い方」としながらも、片面を作るのに30分かかるという。実際のカセットテープでは、テープが巻かれているハブの部分が動くが、「その部分が固定となるので、ケースに入るよう加工するのに苦労した」とも。
「『NA』design」の商品開発を手掛ける阪本滋さんは、「ネタ要素が強い商品。カセットテープを見ても知らない方がいる時代なので、40代、50代の方がターゲットにはなると思うが、今、若い人があえてカセットテープとデッキを買って、音楽を聞いているという話も聞くので、音楽好きの方に買ってもらえれば。名刺交換の時の話の種になるといい」と期待を込める。
サイズは、縦=6.3センチ、横=10.1センチ、幅=14.5センチ。重さは55グラム。名刺は15~20枚収納できるという。
受注生産で、価格は2万8,600円。