高尾駅から徒歩約3分の場所にあるカフェ「いまここcafe杜丸」(八王子市廿里町)で10月30日、市内在住の写真家・小松由佳さんの新刊「人間の土地へ」(集英社インターナショナル、2,000円、税別)の発売にちなんだトークイベントが行われる。
【インタビュー】「やっぱり自分はフォトグラファーでありたい」 写真家・小松由佳さん
2006(平成18)年に日本人女性として初めて、8611メートルと世界第2位の高峰「K2」の登頂に成功、その後は写真家としてシリアの内戦や難民をテーマに活動を続けている小松さん。2016(平成28)年には「オリーブの丘へ続くシリアの小道で ふるさとを失った難民たちの日々」(河出書房新社)を上梓した。
シリア人の夫を持つ小松さん。今作はK2登頂からシリアでの体験、八王子で暮らす現在までを自身や夫の体験を下に克明に描いたノンフィクション作品で、9月25日に発売された。
「主人とシリアで出会って、内戦が始まってといろいろなことがあったが、すぐには語れないことが多かった。それが時間をかけ、ようやく今だったら話せるかなというタイミングで、本にしてみないかというお声がけをいただいた」と小松さん。完成までに3年半もの時間がかかったという。「普遍的なことを書きたいと思った。長い時間をかけて、読まれるような1冊になればいい」とも。
今回のイベントは、K2登頂の話やシリア、難民に関する話題など作品にまつわる世界を深堀りする形でトークを進めていくという。
「純粋に本について知っていただくイベント。エピソードについて深堀りをしたり、本のタイトルに込めた意味だったりと本に基づいてトークする。読んだ人だけでなく、読んでない人にも分かりやすいように話をする」と小松さん。自身で「マニアックな本」と評価した上で、「どういう世界なのかをお話をして伝えられれば」と意気込む。
開催時間は14時~16時。定員は7人。参加費は1,000円(1ドリンク込み)。11月8日には八王子市役所近くの喫茶店「馬天使」(中野上町4)でも同様のイベントを開催する予定。