八王子の食とアートをテーマとしたイベント「FARMART SESSION(ファーマート・セッション)」が11月1日、始まった。
2014(平成26)年から八王子のさまざまな場所でマルシェ形式のイベントを行ってきた「ファーマート」。5月に自身初となるオンラインイベントを開催して以来、今年2回目の催しとなる。
これまで旬の地元野菜などの食材や調理品、料理を盛り付ける食器などを題材に、さまざまなアーティストや作家が集まりマルシェ形式で行ってきたが、今回は「セッション」をテーマに据え、飲食店と作家などさまざま形のコラボ企画を実現した。
八王子市小津町の地域活性化に向けたプロジェクトに取んでいるNPO法人「小津倶楽部(くらぶ)」と、レザークラフト作家の竹沢むつみさんは、八王子で捕獲されたシカの革を陣場山麓に自生している植物を使って、葉柄に染め巾着にした「東京・八王子産の鹿革でつくった葉っぱ染めの巾着」を製作し販売。
ネパールカレー店「奈央屋」(八王子市千人町3)と陶芸家の久野真琴さんは「カレーのお皿とカレースパイスのセット」、無農薬ハーブなどを手掛ける「MELIDALINEN&Herbs(メリダリネン・アンド・ハーブス)」と陶器作家の上島かな子さんによる「白い陶器のサボテン寄せ植え」など、それぞれ今回のために企画・製作した商品をオンライン上で販売している。商品については、ギャラリーカフェ「MODESTE」(元横山町3)でサンプルを展示。販売・展示共、今月23日まで。
今月15日までの間、「奈央屋」などでは「セッション」をテーマにした特別メニューの提供も行っているほか、「ファーマート」がプロジェクトサポーターを務める住宅分譲地「八王子みなみ野シティ 結びのまち」とのタイアップ企画として、市内の店を巡るスタンプラリーも実施している。スタンプラリーは12月26日まで。
そのほか、今月14日には上島さん、15日には竹沢さんがそれぞれのアトリエでワークショップを開催。パーカッショニストの永井朋生さんによる無料配信ライブも行う予定。写真家の鈴木竜馬さんと永井さんのコラボによる今回のイベントのコンセプト動画がユーチューブなどで配信されている。
「コロナもあり、人を集めるのが難しい時代。だからといって、何もやらないのではなく、ファーマートらしさを出せるような企画をと考えた」とイベントの運営にも携わる上島さん。同じくイベントを手掛ける「MODESTE」店主の望月成一さんは、「本来、イベントは実際に会って進めるものだと思うが、こういうご時世なので、やり方の方向性を探っているところもある」と話す。
今後について、上島さんは「1年以上、マルシェ形式のイベントをやっていないので、来年はマルシェができるといい」と意気込む。