京王電鉄は11月18日、2021年春にダイヤの見直しを行い、終電時刻などを繰り上げると発表した。
競馬場線、動物園線を除く京王線と井の頭線を対象に行う今回の見直し。同社によると、平日、土曜・休日共に終電時刻をおおむね10分~30分繰り上げるという。新宿駅発の京王八王子・橋本方面の列車については、調布~新宿間、京王八王子~調布間、京王多摩センター~調布間、橋本~京王多摩センター間でそれぞれ30分程度、高尾線で15分程度で繰り上げる方針。
同社は「新型コロナウイルス感染症拡大後のお客さまのご利用状況は大きく変化している」と明かす。中でも、終電付近の0時台については、9月の平日が昨年と比較して47%減ったとして、深夜時間帯の利用が大幅に減少にしているという。その上で、バリアフリー化や防災対策などで設備の量が増加していることから、安全性やサービス向上などの工事を進めるための作業時間の確保、人口減少・少子高齢化に起因して、メンテナンスを担う人材の確保が困難になっていくことなどが課題とする。
来春のダイヤ改正では、初電まで間の作業時間確保に加え、生活様式の変化に合わせた運行本数や運行時刻、行き先の設定も目的に挙げており、同社は「今回の終電時刻の繰り上げにより、 夜間作業時間を最大で4時間以上確保することが可能。複数日に分割して行う夜間作業について、 効率化が期待され、合わせて鉄道施設のメンテナンスの担い手や当社社員の深夜作業における働き方改革にも寄与する」と説明する。
広域八王子圏では、既にJR東日本や小田急電鉄が保守作業時間の拡大などを目的に終電時刻を繰り上げることを明らかにしている。