シールやラベルなどの印刷を手掛ける橋本コーポレーション(八王子市日吉町)が2月1日、小ロットでオリジナルシールを印刷できるサービス「シール直送便Light」を始めた。
2011(平成23)年にネットを使ったシールの印刷サービス「シール直送便」を立ち上げた同社。今回は縦4センチ、幅4センチの四角形の「ステッカーシール」などを、1枚単位で作ることができる新サービスを始めた。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、クリエーターを支援しようという思いがきっかけになったという。同社の山田直樹さんは「もともと弊社では最小で10枚印刷というサービスがあったが、10枚は不要という個人のお客さまもいらっしゃった。コロナ禍で世の中の状況が変わり、弊社が世の中に貢献できることは何か検討した結果、1枚印刷に対応していこうという結論に達した」と話す。料金も「ステッカーシール」であれば、500円からと気軽に使える価格に設定した。
「エネルギーあふれる表現をされているクリエーターのシールを作れば、それを見た人も元気になれるだろう。日本はまだクリエーティブ業界で世界と戦えると感じているので、そこを支援して日本が元気になってくれれば」とも。
業務用印刷機を使って、1枚単位で印刷するのは割に合わないと明かす。「一般ユーザーが自宅でプリントするのとは異なり、1枚印刷するのも10枚印刷するのもほとんど変わりなく、機械の都合により印刷前後で数メートルの用紙が余分に必要となる。印刷業者としては小ロットは採算が悪いので本来受けたがらないのだが、弊社としては『世の中に貢献できることは何か』という観点から小ロット印刷を始める」と山田さん。
制作できるシールのサイズは限定されているが、山田さんは「シール直送便でお客さまから頂いていた声として、『どのサイズのシールにすればよいのか分からない』というものがあった。本来、状況により最適なサイズを選ばれた方が良いが、お客さまとしては不自然に見えないサイズ感が知りたいということで、注文できるサイズを絞った」と説明する。
同サービスのホームページ上では、シールを作るためのひな形となるテンプレートを用意。JPEG形式でのファイルの入稿にも対応するなど誰でも気軽に使えるよう工夫した。「スマホやタブレットで撮った写真をそのままシールにできるのが見どころ。おもちゃ感覚で気軽にご利用いただきたい」と山田さん。「自宅にいることが多くなってきているので、お子さまやご家族で気軽に描いた落書きやメモなどでシールを活用いただければ。ステッカーやシールは注文して貼って楽しむ以外にも人と人とをつなぐコミュニケーションツールとしての役割も果たせる」と
今後は同サービスを通して、クリエーターの紹介など情報発信にも力を入れていく方針。「コロナ禍という状況を踏まえて、クリエーター育成という点を意識してサービスを展開していきたい」と山田さん。
「今でこそクリエーター自ら情報発信をすることで経済的に豊かになってる方もいるが、まだ一部。経済的な安定がないと優秀なクリエーターも制作をやめてしまう。作品のレベルが高くてもマーケティングや、PRの方法を知らなかったり、認知されていなかったりすることは問題。そこで、弊社でクリエーターの作品の魅力を記事にして、情報発信させていただく。イベントなどにも積極的に参加して、よりレベルの高いクリエーターの認知を広げていければ」と意気込む。