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東京薬科大の酵母でクラフトビール造り 高尾ビールが商品化

完成したビールを手にする東京薬科大学の志賀助教(写真右)と高尾ビールの池田さん

完成したビールを手にする東京薬科大学の志賀助教(写真右)と高尾ビールの池田さん

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 東京薬科大学(八王子市堀之内)と高尾ビール(下恩方町)が共同開発したクラフトビール「やまもも」が6月1日、発売された。

東京薬科大学と高尾ビール、クラフトビール造りでコラボ

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 両者は2019年から植物由来の酵母を使って、ビールを造るプロジェクトを展開。同大キャンパス内に生育する植物や果実から採取した酵母菌を使ったクラフトビール造りを進めている。

 昨年9月には第1弾として、八王子市の花であるヤマユリの酵母を使ったビールを商品化。市内の酒販店を通して、350本限定で販売したところすぐさま完売したという。今回は第2弾として、キャンパス内に生息しているヤマモモから取った酵母や同大薬用植物園で栽培されているホップを使いビールを造った。「ヤマモモの酵母が生成する華やかな香りとほのかなスパイシー感が特徴」とうたう。

 高尾ビールの池田周平社長は「アプリコットや桃のようなフレーバーが特徴として出ていて、フルーティーな感じや華やかな香りが立つ上品なビールになった」と話す。今月7日時点で「在庫はもう3分の1くらいしかない。前回から買ってくれたリピーターの方も一定数いるよう」と話す。

 同大生命科学部食品科学研究室では、2016(平成28)年秋から学内のさまざまな植物や果実から酵母を採取。「東薬花の酵母」と名付けて、その特性を調べるなどしていたという。その中で、八王子市が間に入る形で高尾ビールとコラボし、酵母を使ったクラフトビールの共同開発が始まった。

 「非常に面白い試みだと思ったので、断る理由はなかった。すぐにやってみようということになった」と池田さん。「ビールに特化した酵母ではないので、ビールに適用させていく作業が必要になることは分かっていた。繰り返しの試験醸造で鍛えていった」。同大生命科学部助教の志賀靖弘さんは「野生酵母は全般的に麦汁の中に入っている麦芽糖の分解があまり良くない。僕たちも分解能が高くないことは分かっていたので、試験的にやってみて、いけるかもと手応えを得た」と振り返る。

 ヤマユリの酵母を使った第1弾については、「薬科大とのダブルネームということもあって、OBやOGの方からの問い合わせが多かった。ベルギービールに近い、飲みやすい、優しい味わいのものになったので、普段ビールを飲まないような方からも受け入れていただけた」と池田さん。

 今回のヤマモモについては、約1年前から準備を進めていたという。「DNAレベルで種類は同定していたが、実際、どんな性質を持っている酵母なのかは作ってみないとわからない。試験醸造の時の特徴が良かったので、酵母を鍛えていくことにした」と志賀さん。池田さんは「ヤマモモから採取した酵母を100%使って醸造したのが画期的なところ。植物由来酵母100%で醸造したビール自体あまり聞かないし、ヤマモモ由来の酵母で造った酒はないんじゃないか。かなりレアだと思う」と話す。

 既に第3弾以降の準備も進めており、年内の商品化を目指しているという。「シリーズ化できたらうれしい。5年、10年と長期保存できるビールにも可能性の広がりを感じているので、そういう方向もありかなと考えている」と志賀さん。池田さんは「ヤマユリ、ヤマモモと来たので、次はどれにしようかなというところ。年間でどれくらい造っていくかの話はしていないが、もしかしたら3、4種類出せるかも」とした上で、「今回は八王子産酵母を使ったが、今、市内で麦とホップを作っているので、八王子産材100%のビールを造りたい。後はやるだけ」と意気込む。

 330ミリリットル入りで、希望小売価格は660円。900本限定で、高尾エリアを中心に酒販店で販売している。

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