富士森公園(八王子市台町)で7月10日、東京2020オリンピック聖火リレーの「点火セレモニー」が行われた。
都内では、7月9日~23日の15日間にわたって行われる聖火リレー。10日は多摩市、日野市、昭島市、八王子市で実施。八王子市内は、東浅川町にある「1964年東京オリンピック大会自転車競技記念碑」をスタートし、富士森公園(八王子市台町)までの間でリレーを行い、その後、聖火の到着を祝う式典「セレブレーション」を行う予定だった。
11日まで「新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置」が適用されていたことなどから、都は9日~16日の26市で行う聖火リレーについて公道走行の中止を発表。代わりに各セレブレーション会場で点火セレモニーを行うことにした。
当日は多摩市、日野市、昭島市、八王子市の聖火ランナーが富士森公園に集まり、自治体ごとにセレモニーを行った。八王子については、18時前から石森孝志八王子市長らが見守る中、都立南大沢学園バスケットボール部の部員ら市内外から約40人の聖火ランナーが参加。聖火をトーチで受け渡す「トーチキス」を行った。北京オリンピック・リオデジャネイロオリンピックの2大会で銅メダリストとなった柔道の中村美里さんが最終走者となり、受け継いだ火をステージ上に設けられた「聖火皿」にともした。
中村さんは「八王子市の最終ランナーとして、この大役を任せていただき本当に光栄に思う。日本をつないできた聖火なので、いろいろな思いがつながってきていると思う。明日以降もこの気持ちをつなげて、オリンピックに向けてしっかりとつながっていってほしい」と話す。
この日の八王子は15時43分に33.2度を観測。今年一番の暑さとなった。石森市長は「日が暮れて少し気温が下がってきたが、今年一番の暑さということで、ランナーの皆さんは暑い中、大変ご苦労さまでした」とねぎらいを述べた。
「オリンピックの聖火は前大会から57年という時を経て、再びこの八王子市にともされた。大変うれしく感じている」とも。公道走行の中止を受け、ランナーに対し「トーチを持って公道を走り抜けるということを想像しながら本日を楽しみにされてきたと思う。残念ながらコロナの影響でこのような形になったが、会場でトーチキスをしていただき、思い出に残る素晴らしいセレモニーになった」と感謝を伝えた。
「3月25日に福島県を出発し、希望の光として各地域をつないできた。7月23日にはオリンピックの開幕を迎える。東京2020大会にはさまざまな困難があったが、世界中の多くの皆さんに感動や夢、希望を与える素晴らしい大会となることを心から願っている」と話す。