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八王子のイラストレーターが手作りお守りキット 地元の絹織物生かす

手作りでお守りを作ることができる「てまもり」

手作りでお守りを作ることができる「てまもり」

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 八王子のイラストレーター・Yamamoto Harucaさんがお守りを手作りできるキット「てまもり」の販売を始めて1カ月がたった。

作り方を紹介する説明書をセット

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 クールビズやテレワークの浸透に伴い、ネクタイの消費が減少したことが生地を生産している八王子の織物工場の経営にも影響を与えていることから、絹織物を新しい商品を作ろうと今回の商品を企画した。

 商品には、お守りの材料として生地や打ちひも、願い事を記す用紙をセット。地元の織物工場で製造されたオリジナルの絹織物を使用している。生地には縫い代や穴を開ける場所を示すガイドラインを付けたほか、イラストで作り方を紹介する説明書も付く。針と糸、はさみ、穴開けがあれば作れるように工夫した。

 生地の絵柄は、Yamamotoさん自らがデザインしたもののほか、グラフィックデザイナーの和田直也さんが手掛けたものと合わせて5種類を用意。7月から洋品店「イツミヤ」(八王子市八幡町)とギャラリーカフェ「MODESTE」(元横山町3)で販売しているほか、8月5日からはAmazonでの販売も始めた。

 プロジェクトに関わる及川賢一さんは「もともとネクタイの生地を使って何かできないかと考えてはいた。いろいろ考える中で、パッとお守りというのが出てきた。広く一般に売れる手作りの材料をと考えた。正直、織物屋さんが助かるほどの売れ行きになるかはわからないが、何かの一助になれば」と話す。「自分で作って誰かに渡すということが日本では文化や風習になっている。コロナ禍で神社に行ってお守りを買うのもなかなか難しいので、自分で願い事のメッセージを書き、作ってあげることでより思いが伝わるといい」とも。

 企画から販売まで1年がかりで準備を進めてきた。「昨年夏ぐらいに話を始めて、秋にはデザインを作り、年内には織り始めてもらっていた」とYamamotoさん。「小学生から年配まで幅広い方が対象。絵柄もさまざまな方に伝わるようなものを目指して作った。織り方や糸の色の数も決まっている中でデザインをしなければいかなかったので大変だった。結構、試行錯誤をした」と振り返る。

 「小学4年生になると裁縫箱を持つようなので、初めての縫い物として使ってもらえたらうれしい。縫い物の練習にも使ってもらいたい。ツイッターなどを見ていると部活の応援でお守りを作ることもあるようだ。心を込めて作ったので、『てまもり』を通して思いを伝える手伝いができれば」とYamamotoさん。今後は販売店舗の拡大などに加え、「英語バージョンも作りたい」と意気込む。

 価格は1,000円。

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