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八王子発「弁当ラッピングプロジェクト」 のし紙のデザインデーターを無償提供

デザイナーの和田直也さんが手掛けたものなど7パターンのデザインを提供

デザイナーの和田直也さんが手掛けたものなど7パターンのデザインを提供

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 NPO法人「AKITEN」(八王子市千人町2)が4月18日、弁当などののし紙のデザインデーターを無料で提供する「Bento wrapping project」を立ち上げた。

Yamamoto Harucaさんがイラストを描いた「天狗さん」

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 八王子駅周辺の空きテナントを使い、アーティストの作品展を行うなど、さまざまプロジェクトに取り組んできたAKITEN。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、テークアウトやデリバリーへの対応に苦慮している飲食店をサポートしようと、グラフィックデザイナーの和田直也さんや、イラストレーターのYamamoto Harucaさんら同団体に携わってきたデザイナーら新旧のメンバーが集まって、プロジェクトを進めている。

 のし紙は、A4横サイズ。7種類のデザインデーターを公開しており、屋号や品書きなどを入れるなど店でデザインを改変してもよいという。

 同NPO代表の及川賢一さんは「休業要請によって、急なテークアウトへの対応に追われている中、弁当の包装にまで手が回っていない店舗もあるのではないかと思ったことがきっかけ」と話す。八王子市内でテークアウトやデリバリーに対応している飲食店を紹介するサイト「Hachioji Eats」や、飲食店自らが提供している弁当の情報などを投稿するフェイスブックグループ「八王子お弁当カタログ」など、「みんながさまざまな支援活動を展開する中で、AKITENとしてもこれまでいろいろとお世話になってきた商店街に対して、何かできることがないかと思い、新旧のメンバーに相談して、すぐに制作に取りかかった」とも。

 和田さんは今回のテーマについて、「閉塞的な日常を過ごさなくてはならない状況で、店舗の方や購入した方、それぞれにとってほんの少しでもほっこりできるアクセントを提供したい、それが企画全体のテーマ」と説明。

 和田さん自身がデザインした「hinomaru」は日の丸弁当をモチーフに、「大きな口を開けて笑っているマークをデザインした」と話す。Yamamotoさんがイラストを描いた「天狗さん」は、「八王子といえば天狗ということで、塗り絵としても使えそうなイラスト」と話す。デザインデータについては、今後も追加していく予定だという。

 同じくプロジェクトに携わるデザイナーの山上めぐみさんは「どんな弁当でも使えるようなデザインにしている」と話し、「少し味気ない弁当箱も、紙を1枚巻くだけで、店側の気持ちが伝わると思う。こんな時だからこそ、弁当を買いに来てくださったお客さまに、クスッと笑ってもらったり、あたたかい気持ちになってもらったりしたいので、ぜひ使っていただきたい」とアピールする。

 及川さんは「AKITENとしてもギャラリーを閉めていたり、3月以降に予定していたさまざまな企画を中止したりしていて、いろいろとネタはたまっている。コロナが収束したら、また積極的にいろいろな企画を実行していきたい」とした上で、「デザイナーやアーティストは、人々の心を動かす力に長(た)けていると思っていて、これまでもAKITENでは、そこを強く意識した活動をしてきた。デザインやアートだからこそできることがあると信じているので、これからもさまざまなクリエイターの協力を得ながら、未来に向けた活動をしていければ」と意気込む。

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