東京都が10月13日、東京都立大学(八王子市南大沢)などに通う学生を対象に授業料を実質無償化する支援制度を2024年度から新たに始めると発表した。
東京都が発表した「東京都立大学の新たな授業料減免制度」の資料
今回は2021年3月に策定した「『未来の東京』戦略」を推進する事業として位置付ける。新制度は同大学部生と博士前期課程、法科大学院、助産学専攻科の学生のほか、東京都立産業技術大学院大学(品川区)の専門職学位課程の学生、東京都立産業技術高等専門学校(同)の本科4、5年生と専攻科の学生が対象になる。
都内在住で、学生の生計維持者の「年収目安」が910万円未満の場合、授業料全額を免除する。扶養する子どもが3人以上の多子世帯の場合は、910万円以上でも半額免除にする。「年収目安」は、両親のどちらか一方が給与所得者で、学生本人が18歳、中学生の子どもがいる4人世帯をモデルとしており、都は「詳細は世帯状況により異なる」としている。留学生は対象にしない。
制度を利用する学生には、進学までの期間に一定の条件を設ける。都立大の学部生の場合、高校を初めて卒業した年度の翌年度の末日から、大学入学まで2年経過していないことが条件。博士前期課程などに通う学生では、大学を卒業後、引き続いて博士前期課程などに進学し、進学した年度の前年度の年齢が24歳以下であることとしている。
新制度は現行の授業料減免制度に加える形で導入するため、国による「高等教育の修学支援新制度」の利用や給付型奨学金の受給を受けることもできる。制度の対象にならない都外在住者などは、既存制度を利用することで授業料の減免などを受けることができる。
支援を受けるためには申請と審査の通過が必要。2024年度の新入生だけでなく、在学生も対象にする。申請手続きなどについては詳細が決まり次第、それぞれの学校を運営する東京都公立大学法人(新宿区)のウェブサイトで知らせるとしている。