「八王子Short Film(ショートフィルム)映画祭」が12月9日、八王子・御殿山の結婚式場「八王子日本閣」(八王子市鑓水)で行われる。
新人映画監督の発掘や八王子のまちおこしを目的に、2013(平成25)年から行われている同イベントは今年で11回目。一般部門と学生部門の2部門で、製作者から作品のプロットを事前に募集した上で、製作資金の一部を補助。短編作品を仕上げてもらう形式を取っている。
毎回、「出会い」「愛」「結婚」をテーマとした作品を作ってもらっている同祭。今年の一般部門には、相馬雄太さんの「宇宙人がやってきた」、田中亮丞さんの「大食い大好き大石さん」、永岡俊幸さんの「きまぐれ」、大根田良樹さんの「サーシャの坂道」、霞翔太さんの「深婚式」、月足直人さんの「ぷーん」の6作品がノミネートした。
今年の一般部門について、映画祭担当者は「ドラマとコメディーのバランスが良い。蚊の視点で結婚式場でのストーリーを描いた『ぷーん』、大食い中学生が主人公の『大食い大好き大石さん』、ロシアがウクライナに侵攻したことで肩身が狭くなったロシア人講師と小学生の物語を描いた『サーシャの坂道』など例年以上に多種多様な作品ラインアップだと思う」と説明。「『新人監督の登竜門』として監督の作家性を大事にする映画祭のコンセプトがよく表れている」とも。
学生部門は、日本工学院八王子専門学校の中条耀介さんによる「謝らないとね」、東京経済大学コミュニケーション学部の川村るんさんによる「あわせて一本!」、城西国際大学メディア学部の阿部夏季さんによる「ガール・ミーツ・ガール」、三田国際学園高校1年生の瀬川翔さんによる「畜群」、文化服装学院の「yoneo」さんによる「八王子、恋愛ムジィーク」の5作品がノミネートした。
「高校生や大学生などさまざまな学生監督の作品がそろった。女子大生同士の繊細な関係を描いた『謝らないとね』や、食用人類の子どもを少女がドキュメンタリー映画を撮ろうとする『畜群』など学生ならではの独特でフレッシュな感性を生かした作品が多くノミネートされた」と担当者。
観覧は事前申込制で、一度定員に達したが、観覧の枠を広げて申し込みを再開したという。担当者は「少しずつ八王子で映画を広げられるよう今年は『まちなか映画会』や、大学コンソーシアム八王子と『八王子ドリームシアター』といったイベントを行った。少しずつ短編映画の面白さが八王子に伝わっていっていると感じる」と話す。参加者からは「短編映画がこんなに面白いとは思わなかった」「大きなスクリーンで映画を見られる機会があってうれしい」などの感想があり、「定期的に足を運んでくださる方も多い」とも。
「短編映画は短時間にさまざまなジャンルの作品を楽しめるのが面白いところ。この面白さが各イベントを通して伝わったのか、今年の映画祭は今までよりも早いスピードで事前の申し込みがある。今年の作品ラインアップも多種多様なのでさらに短編映画の魅力が伝わり、八王子の映画好きの方々に楽しんでもらえるよう頑張りたい。八王子から映画館がなくなっていく中で、この映画祭が映画好きの皆さまが楽しめる場になれれば」と意気込む。
13時開演。入場無料。観覧申し込みは同祭公式ウェブサイトで受け付ける。