プレスリリース

店長の66%が社会保険適用拡大等による人手不足を不安視 一方実は働きたいアルバイト・パートの潜在労働力の存在も明らかに

リリース発行企業:株式会社アイリッジ

情報提供:

 株式会社アイリッジ(本社:東京都港区、代表取締役社長:小田 健太郎、東京証券取引所グロース:3917、以下「アイリッジ」)とディップ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:冨田 英揮、以下「ディップ」)のディップ総合研究所は、15歳以上の男女約2,400名を対象に「アルバイト・パートのシフト調整に関する調査」(以下「本調査」)を実施し、調査結果※1をまとめましたのでお知らせします。また、ディップとアイリッジは、本調査により明らかになった「店舗とアルバイト・パートのシフト調整のミスマッチ」を改善する新サービス「バイトルトーク」を今秋に開始する予定です。

※1)ディップ総合研究所「店長・管理者の7割がシフト調整に悩む?24年10月~社会保険適用拡大」:https://dip-soken.com/work/oF4jPfOx

本調査の背景
 2024年9月24日に厚生労働省が発表した労働者過不足判断 D.I.※2では、パートタイム労働者の人手不足は+29ポイントと、2009年11月以降、60期連続で人手不足が続いています。特に「宿泊業,飲食サービス業」、「サービス業(他に分類されないもの)」、「生活関連サービス業,娯楽業」で深刻な状況です。

 さらに、2024年10月からは社会保険適用拡大※3や、過去最高の引き上げとなる最低賃金50円アップが始まりました。仮に106万円の年収の壁を超えないように労働時間を調整した場合、最低賃金50円アップによるインパクトは一人あたり月間マイナス3時間20分となります。アルバイト・パート従業員20人の職場であれば月間マイナス66時間40分と、ほぼ1人分の労働時間を新たに確保する必要が出てきます。※4

 ディップとアイリッジは、このような中で、店舗の管理者(店長等)とアルバイト・パート双方のシフト調整にかかわる状況を調査し、店舗の人手不足解消およびアルバイト・パートのEX※5向上の道筋を探りました。

※2)不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の割合を差し引いた値
※3)一定条件を満たすと社会保険料支払い対象となる「106万円の壁」の対象が、従業員数101名以上の会社で働く人から、従業員数51名以上の会社で働く人に拡大する
※4)東京都の最低賃金をもとに、9月までは月収88,000円÷1,113円=月間労働時間79時間のところ、10月以降は月収88,000円÷1,163円=月間労働時間75時間40分となると試算
※5)EX(Employee Experience):従業員が企業で働く中で得られる体験のこと

調査結果ダイジェスト
・店舗管理者の7割がシフト調整に悩みを抱えており、飲食業では半数近くがシフト確定後の調整に追われている
・調整ストレスの上位はDX遅れによる「個別連絡の手間」「休日の連絡への罪悪感」「返信の遅さによる調整難航」
・65.5%が「社会保険適用拡大」や「最低賃金アップ」を理由に人手不足やシフト調整の負担増を不安視
・一方アルバイト・パート側は4割以上が働きたい時にシフトに入れなかった経験をしている
・半数以上が「休みの日にやっぱり働きたい」と思った経験あり。シフト確定後の調整が潜在労働力を活かすカギに


店舗管理者の7割がシフト調整に悩みを抱えており、飲食業では半数近くがシフト確定後の調整に追われている



・店舗管理者への調査では、70.1%の管理者がシフト調整に悩んだことがあると回答。業種別で最も悩みが深刻だった飲食業では86.2%もの回答を集めた

・悩みの1位は「シフト確定後に欠勤や交代依頼などで急な調整が発生する」で、飲食業においては44.6%にのぼった

・2位は「希望シフトが偏り、明らかに人手が足りない日が出てくる」、3位は「年末に近づくと年収の壁問題でシフトが減る人が出てくる」で、シフト調整が大きな負担となっている様子が伺える

調整ストレスの上位はDX遅れによる「個別連絡の手間」「休日の連絡への罪悪感」「返信の遅さによる調整難航」



・シフト調整の連絡におけるストレスの内訳は、1位「ひとりひとりに対し、個別にシフトの連絡を取るのが面倒」、2位「アルバイトが休みの日に電話をするのは気が引けてしまう」、3位「連絡してもアルバイトからの返信が遅く、調整が進まない」となった

・2024年7月に実施した調査※6では、アルバイト・パート従業員との連絡手段として個人SNSが多く用いられていることがわかっており、DXの遅れによる非効率なコミュニケーションが負担を大きくしている懸念もある

※6)「コミュニケーションにまつわるアルバイトのEXに関する調査」:https://iridge.jp/news/202408/36629/

65.5%が「社会保険適用拡大」や「最低賃金アップ」を理由に人手不足やシフト調整の負担増を不安視



・シフト調整の悩み3位に「年末の年収の壁」問題がランクインする中、10月からの「社会保険適用拡大」や「最低賃金アップ」について聞いたところ、全体の65.5%、飲食業では74.8%が関連する不安を感じていることがわかった

・不安1位は「年収の壁による働き控えから、シフトが埋まりにくくなる」、2位は「年末に近づくにつれて働ける時間の管理がより煩雑になる」、3位は「頻繁に出勤してくれる人のシフトを削る調整が必要になる」となった

アルバイト・パートでは4割以上が働きたい時にシフトに入れなかった経験をしている



・一方アルバイト・パートへの調査では、希望シフトが通りにくく、働きたい時に働けない経験をしたことがあると回答した人が42%にのぼった

・希望シフトの偏りは管理者側調査でも悩みの上位に挙がっており、シフトのミスマッチが原因で働きたい時に働けない人が多く存在することが浮き彫りとなった

半数以上が「休みの日にやっぱり働きたい」と思った経験あり。シフト確定後の調整が潜在労働力を活かすカギに



・「提出した希望シフト以外にも働ける日がある」ことが「よくある」「たまにある」のいずれかで回答した人は64.8%。「先の予定が読めないので希望シフトを少なめに出す」(47.1%)、「年収の壁を意識して希望シフトを少なめに出す」(36.4%)という声もあった

・「休みにしたが、やっぱり働いて稼ぎたいと思った」ことが「よくある」と回答した人は16.3%で、「たまにある」と合わせると50.1%となった

・「急に予定がなくなり、それなら働いて稼ぎたいと思った」ことが「よくある」と回答した人は19.4%で、「たまにある」と合わせると56%となった

・シフト確定後に柔軟な調整が行えれば、自店舗内・自社内で活かせる潜在労働力が存在することが見えてきた

※7)本文中で使用する「潜在労働力」とは、シフトに入る意欲はあるが、その機会を得られていない労働者のことを指します

コメント
 調査では、シフト調整業務が店舗管理者の大きな負担となっている一方で、シフト調整を柔軟に行えれば、実はまだ掘り起こせる潜在労働力が存在することが明らかになりました。アルバイト・パートとのコミュニケーションDXにより、個人SNSでのやり取りに起因する非効率さや休日(プライベート)への干渉などの課題をクリアすることが、コストを抑えて労働力を確保していくカギになると考えられます。(ディップ総合研究所 専任研究員 森 亜由葉)

 ディップおよびアイリッジは、このコミュニケーションDXを通じてEXを向上するため、今秋中にも新サービス「バイトルトーク」の提供開始を予定しています。今後も店舗の人手不足解消ならびに誰もが働く喜びや幸せを感じられる社会の実現に向けて取り組みを続けてまいります。

調査概要

ディップ株式会社
 ディップ株式会社は、労働市場における諸課題を解決し、誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指す“Labor force solution company”をビジョンに掲げ、人材サービス事業とDX事業を運営しています。企業理念「私たちdipは夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」のもと、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

社  名:ディップ株式会社(dip Corporation)
代  表: 冨田 英揮(代表取締役社長 兼CEO )
本  社:東京都港区六本木3-2-1 六本木グランドタワー31F
電  話:03-5114-1177(代表)
設  立:1997年3月
資本金:1,085百万円 (2024年2月末現在)
従業員数:2,964名(2024年4月1日現在の正社員)※契約・アルバイト・派遣社員除く
事業内容:求人情報サイト「バイトル」「バイトルNEXT」「バイトルPRO」「はたらこねっと」看護師転職支援サービス「ナースではたらこ」などの運営、DXサービス「コボット」の開発・提供、他
上場証券取引所:東京証券取引所(プライム市場)
売上高: 537億円(2024年2月期)
https://www.dip-net.co.jp/
株式会社アイリッジ
株式会社アイリッジは、企業のアプリビジネス支援とビジネスプロデュース支援を軸に、リテールテック、フィンテック、MaaS、業務支援等、幅広い領域でDXを支援しています。

アプリビジネス支援ではOMO*アプリの企画・開発における業界トップクラスの実績があり、手がけたアプリの月間アクティブユーザー数は国内最大級の9,000万超。開発から機能拡張、マーケティング施策まで行えるアプリビジネスプラットフォーム「APPBOX」が主力プロダクトです。
*Online Merges with Offline:オンラインとオフラインを統合したマーケティング

ビジネスプロデュース支援では、アプリに限定しない、コミュニケーションデザインの戦略立案からデジタルとリアルを統合した施策の企画・実行までを支援可能。グループ会社のQoilと連携し、プロデューサーとプランナー、クリエイティブディレクター等から成るチームで、”点”の相談を”面”の課題解決に導く独自の価値提供を行います。総合電機メーカーや金融サービス事業者、電気通信事業者等、業界トップ企業の幅広い実績を持ちます。

https://iridge.jp/

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