プレスリリース

ヴェルトがLLMを活用した因果関係抽出技術を開発・実用化 ~ デジタル医学事典「MSDマニュアル」のデータソースとしての公式活用は日本初

リリース発行企業:株式会社ヴェルト

情報提供:

株式会社ヴェルト(本社:東京都渋谷区 代表取締役CEO 野々上 仁、以下:ヴェルト)は、因果関係の推定とデジタル活用のためのコーザル AI(因果関係AI)プラットフォーム「xCausal(TM)(クロス・コーザル)」に、LLM(大規模言語モデル)を活用した既知の因果関係の抽出と活用ができる新機能「CKE-LLM (Causal Knowledge Extraction LLM : 因果知識抽出LLM)をリリースします。これにより、より信頼度の高い因果モデルの効率的な構築が可能になります。また、信頼できる情報ソースとして、日本で初めてMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA (本社 : ニュージャージー, USA 最高経営責任者 : ロバート・M・デイビス, )が提供するデジタル医学事典「MSDマニュアル」を、因果関係抽出のデータソースとして公式に提供を受けており、ヘルスケア分野から利用できる環境を整備していくことを発表します。



ヴェルトは、データを用いて因果関係を素早く推定することで、課題解決や企画・開発を加速するコーザルAIプラットフォーム「xCausal(TM)」を展開しています。多くの企業や組織では、課題に対する原因究明において相関関係に基づいた仮説立てと検証を行い、擬似的な相関によるやり直しなどにより多大な時間を要しています。「xCausal(TM)」は、因果関係のヒントとなる変数の推奨技術や、使いやすい因果探索・因果推論機能によって、仮想的に因果関係を推定するトライアンドエラーを高速に実行することを可能にし、データによる意思決定、研究開発サイクルの短縮や高度人材の生産的活用をサポートしています。

今回、より信頼度の高い因果モデル構築を高速に行うことを目指し、既知の因果関係をテキストデータからLLM(大規模言語モデル)を活用して抽出し、事前知識として「xCausal(TM)」に設定できるCKE-LLM(Causal Knowledge Extraction LLM: 因果知識抽出LLM)機能を開発しました。本機能は、2025年1月よりリリース予定です。「xCausal(TM)」では、データから因果関係の構造を計算する「因果探索」アルゴリズムを複数搭載しており、ユーザーがアルゴリズムを選択して因果グラフを生成することが可能です。一方、因果探索の活用は、新たな発見が得られるメリットがある反面、アルゴリズムの種類を問わず、計算された因果構造(因果グラフ)が必ずしも全て正しい結果にならないという弱点が存在します。そのため、既にわかっている因果関係を、因果探索の前に事前情報として設定しておくことで、信頼度が向上することが知られています。ヴェルトでは、公式に入手した信頼できる情報ソースを前提に、LLM(大規模言語モデル)を活用して因果関係を抽出する技術を、抽出結果を人が確認し、採用判断するプロセスと共に提供します。



因果知識の抽出に際しては情報源の信頼度が特に重要となるため、ヴェルトではヘルスケア領域でのデータソースとして、デジタル医学事典「MSDマニュアル」を公式に提供を受けています。MSDマニュアルは、世界中の数百人に上る医療専門家、査読者で構成される独立した編集委員会、そして医師とメディカルライターで構成されるMSDマニュアル編集スタッフの共同作業によって制作されています。125年以上もの間、編集における完全な独立性を維持しながら、診断や治療に対する最新かつ最善の考え方を提供し続けています。ヴェルトでは「MSDマニュアル」のデータを活用するにあたり、より正確な情報提供を叶えるべく、抽出結果と根拠となる文章や情報を複数名で吟味、確認した後に採用します。全体の領域が広いため、一般的に多いと考えられる症状や病気から随時関係を抽出し、「xCausal(TM) for Healthcare」の一機能として提供する予定です。またプロフェッショナル・サービスとして、利用時の企業向けカスタム対応も行っていきます。

ヴェルトは、今後本技術をヘルスケア分野だけでなく幅広い産業用途に拡大し、原因究明が必要な分野で課題解決とイノベーションを加速して参ります。また、因果モデルを組織内の暗黙知を含めた知のアセット「コーザル・アセット」として活用し、様々なDX利用での価値提供を推進してまいります。




■「xCausal(TM) 」および「xCausal(TM) for Healthcare」とは
サービスサイト:https://xcausal.com/

xCausal(TM)は、ノーコードでデータをアップロードするだけで使える、使いやすさを重視したSaaS型のコーザルAI(因果関係ベースのAI)プラットフォームです。多数の変数から因果性のあるものを推奨する自社開発の「Smallytics(TM)」アルゴリズムを搭載し、重要な変数への気付きを得ることが可能です。また、絞り込まれた変数によって因果関係の構造を素早く計算する「因果探索」と、構造的因果モデルをベースに変数間の因果効果を計算する「因果推論」をシームレスに実行することが出来ます。データサイエンティストでなくても、ドメイン知識を持つ方が直感的に使えるインターフェースと高い処理性能で、素早い原因の把握とアクションの決定に繋げることができます。

構築された因果モデルは、精度を向上させ「コーザルアセット」としてデジタル資産化することで、生成AIや他システムとの連携などDX活用可能なカスタム利用が可能です。「xCausal(TM) for Healthcare」では、ヘルスケア分野に特化した機能が付加されており、今回発表のMSDマニュアルをデータソースとしたCKE-LLM機能も、本サービスで提供される予定です。
※「xCausal(TM) for Healthcare」でのCKE-LLM機能は医学的なアドバイスを提供するものではありません。
情報提供のみを目的としています。専門的な医学的アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。
■因果知識抽出機能 : xCausal(TM) CKE-LLM (Causal Knowledge Extraction LLM)について
LLMを活用し、既にわかっている因果関係を抽出し、事前知識としてルール設定することで信頼度のある因果関係を推定できる機能です。ヘルスケア領域においては、デジタル医学辞典「MSDマニュアル」を採用し、他領域においては、顧客ユーザー提供のマニュアルや、当該領域における学術論文等、信頼度のあるデータソースに限定して展開を拡充していきます。
■プロフェッショナル・サービスについて
因果モデル構築に必要な変数選択のためのワークショップやデータ・コンサルティング、因果モデル構築・因果推論の代行、専用環境の構築、カスタム機能の開発や、システム連携実装など、企業ユーザーの目的に合った利用環境の開発とコンサルティングを提供するサービスです。
■株式会社ヴェルトについて
株式会社ヴェルトは、リアルな世界と社会のためのデータ解析技術を開発する、データサイエンス・カンパニーです。インターネットやAIに代表される技術革新によって利便性を得た反面、現代人は副作用として新たな社会問題や環境問題に直面しています。ヴェルトは創業来「ライフ・テック・リバランス」をミッションとし、単なる技術革新ではなく、技術との付き合い方を革新することで、人類社会と地球環境にポジティブスパイラルを創造します。

代表者:代表取締役 CEO 野々上 仁
本社 :東京都渋谷区神宮前5-18-10 2-D
設立 :2012年8月1日
URL :https://veldt.jp/

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