車やバイク、モーターボートなどの乗り物やラジコンをはじめとしたホビーを取り上げるブログメディア「wonder driving」が8月、開設から1周年を迎えた。
八王子を拠点にウェブサイトのシステム開発などを行うワンダーツーが昨年8月に立ち上げた同サイト。ブログサイト「ギズモード・ジャパン」のライターとしても活動する同社社長の野間さんが自分の趣味を生かして乗り物の楽しさを伝えようと企画。自身で執筆した記事と合わせて、ブログ「ネタフル」を運営するコグレマサトさんなどブロガーからの寄稿記事も掲載する。
スーパーカーブームの時期に幼少期を過ごし、大人になってからはモータースポーツなどにも、のめり込んだ野間さん。しかし、乗り物やホビーの今後について、「10年後は暗いような気がする」と話す。自分の子どもの姿などを通して、「今の子どもは車に好意を持つ機会がなく、大人になった時に車に乗るのだろうか」とも。そこで、車をはじめとしたホビーの楽しさを伝えようとブログを立ち上げることにした。
サイト名は社名とPerfumeの楽曲「コンピューター・ドライビング」を組み合わせた。社名も同じく曲名に由来しており、「Perfumeのファンなので」と笑う。乗車体験やミニ四駆のレース参戦リポートなど、乗り物に関するさまざまな記事を掲載。「人が乗って動くものであれば何でもいい。陸、海、空、宇宙を制覇したい」と野間さん。「夜中に企画書を書いてメーカーに送り、その日の朝にオーケーをもらったりすることもある」など、思いつきが記事につながることもあるという。
ブログのスタイルを取った理由について、ユーザー視点で記事を書けることを挙げる。「メーカーとは距離を取って、感じたまま書けることは大きい」。ミニ四駆からラジコン、ラジコンから車といったように興味が派生していくことにも考慮。「直接、子ども向けにはメディア展開はできないので、子どもを出しにして親に興味を持ってもらおうと思っている」と話す。フェイスブックを通じて、「ワンドラ・ボートクルーズ体験」と題したイベントも開催。当日の天候の問題などから開催率はまだ5割程度だが、読者以外からも参加の声が上がっているという。
今後はビジネスモデルの構築が課題。「広告モデルは成り立たない。物販を手掛けたい」と野間さん。現在、自らのために開発を進めるホンダのオープンカー「S2000」向けのサスペンションが周囲から好評であることから、パーツとして売り出せないか調整を進めているという。「オークションでパーツを買って、自分で取り付ける時代。売れ筋じゃなくても1、2年後にぽつぽつと注文が来るようになれば」。このほか、「集客できるようになったら」と条件付きで、話題を全てそろえたイベントもアイデアとしてはあるという。「マリーナに車を並べて、ラジコンをやって、ミニ四駆をやる。ジャンルはバラバラかもしれないが、根っこはつながっているので交流もできるのでは」
「10年後、例えば、車なら面白い車が選べるような社会になっていれば」と野間さん。ヨーロッパなどと比較したうえで、「車やホビーが文化として根付いてほしい」と期待を込める。