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八王子に「おもちゃカフェ」-地元呉服店が運営、東京造形大生とコラボ

プロジェクトを進めてきた笹さん(左)、川嶋さん(右)と春日教授(中央)

プロジェクトを進めてきた笹さん(左)、川嶋さん(右)と春日教授(中央)

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 八王子市立第4小学校のそばに9月29日、子ども向けのプレールームを備えたカフェ「おもちゃカフェ dattochi(ダットッチ)」(八王子市明神町2、TEL 042-657-3795)がオープンした。

プロジェクトのメンバー自ら内装に取り組んだ

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 和装を扱う「きものの西室」(横山町)が経営する同店。100平方メートルの空間に25席を展開。管理栄養士や元看護師などが協力し、「野菜たっぷりドライカレー」(800円)などのメニューを用意する。今回は「キッズサイズ・デザイン」を専門とする東京造形大学・春日明夫教授の研究室やゼミに在籍する学生、院生とコラボ。店内の3分の2以上をプレールームで占める「おもちゃカフェ」をつくり上げた。 

 同店の「園長」を務める「きものの西室」の西室真希さんが今春、「カフェを通して八王子という街を好きになってもらい、この街で子育てを行い、生活をしていきたいと思ってもらえるような、そんなお手伝いができたら」という願いをかなえようと、春日教授に相談を持ちかけたところからプロジェクトは始まった。「西室さんの夢を実現しようと、これまで進めてきた」と春日教授。プロジェクトの進展に合わせて、ゼミ生や院生に協力を呼び掛けたところ、15人の学生が快諾。「精鋭メンバーがそろった」と話す。

 もともとは事務所だったという同店。「子どもが楽しめて、親がホッとできる空間にしたかった」とプロジェクトのリーダーを務めた同大大学院デザイン研究領域2年の川嶋さん。放課後などの時間を活用して先行店舗の研究などをはじめ、メンバー同士で週1、2回議論を重ねながらプロジェクトを進めてきたという。「デザインは相手があってのもの。希望される方に喜んでもらうためにあるものなので、そこは勉強できたのでは」と春日教授。

 内装のデザインなどを進めるに当たり、メンバー同士の話し合いを進め、同店のために描き下ろし絵本を制作。「ひかりのなる木」と題した同書は、寂(さみ)しがり屋の木と集まってくる動物との交流を通して幸せの姿を描いた物語で、同作の世界観を基に店の空間設計や家具、遊具など開発。同書の執筆に携わった同大造形学部デザイン学科専攻の笹さんは「何から何まで全てをデザインした」と話す。製作にあたっては、市内在住の一級建築士・村田貞夫さんと協働。80歳を過ぎたという村田さんとの連携に、「世代を超えたコラボレーションとなった」と春日教授。

 オープン後は多くの子ども連れの客が多く集まり、地域の憩いの場になり始めている。「学生のような子どもがいない方にも、ぜひ来ていただきたい」と川嶋さん。今後は講演会やワークショップなど店内でのイベント開催も見込むほか、プロジェクトの研究、実践の場としての活用も進めていく。川嶋さんは「社会人になっても遊びにきたいし、ゆくゆく結婚して子どもができた時にも来られたらうれしい」と店の今後に期待を込める。

 営業時間は11時~17時。水曜定休。

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