八王子のグルメを取り上げたムック「八王子食本」(ぴあ)が、市内の観光案内所でも資料として閲覧が可能になるなど地元・八王子で注目を集めている。
同誌は昨年11月21日に発売。老舗から新店まで、市内のさまざまなグルメスポットをまとめたもので、エリアだけでなく、ランチ・カフェ・ディナー・ナイトの時間軸に沿って各店を紹介するなど工夫が施されている。
シェフが行きつけの店を紹介し、その店を巡っていく「美食店リレー」など、これまでの「食本」シリーズで好評だった企画も生かしながら作られたという同誌。「八王子はチェーン店と比べて個性的な店も多く、単体でやろうということになった」と同誌を手掛けたメディア・クリエイティブ局レジャーMOOKS編集長の山田真優さん。制作に当たっては店から費用を取って掲載する広告収入型のモデルではなく、地元住民の口コミや実際に店まで足を運ぶなどして情報を収集。中心市街地から高尾や南大沢などの八王子全域をターゲットに、制作だけでも3カ月、企画から完成までには半年ほどかかったという。
発売開始当初は、地元書店各店が自ら大きなポスターを貼り出してコーナー展開するなど話題に。3カ月がたった今でも売れ行きは好調で、「長期的に売れている」と山田さん。「地元の人に支えられている」とも。今年に入ってからは、八王子北口駅前の観光案内所「八王子インフォメーションセンター」など市の観光施設などでも資料として読めるようになるなど同誌の利用も進んでいる。「食もシティーセールスの材料として考えている市にとってはありがたい」と八王子市議会議員として活動する及川賢一さん。
「八王子は遠いイメージがあるがそうではなく、近くにある東京のオアシス」と山田さん。同誌について、「使うユーザーの立場に立ってまとめていった。地元の人に愛され、地元の人に買っていただけるものになったのでは」と自信を見せる。
サイズはA4変型で全92ページ。価格は880円。