空きテナントを会場とした作品展「AKITEN」などを手掛けるNPO法人「AKITEN」が現在、西八王子駅北口から徒歩6分の場所にある丸神ビル(八王子市千人町2)に常設のアートギャラリーとアーティスト・イン・レジデンスを設けるプロジェクトを進めている。
ビルオーナーからの要望を受けてプロジェクトを立ち上げた同法人。これまで八王子駅前に設けていた事務所を同ビルに移転した上で、今夏のグランドオープンを目指し、ギャラリーと一定期間スペースをアトリエとして貸し出す新たなアーティスト事業「アーティスト・イン・レジデンス」に乗り出すことにした。
グランドオープンに先駆け、工事中のアートギャラリーとなるスペースで7月3日から、八王子を拠点とするデザイナー・イラストレーターの仮井将之さんの個展「仮井 将之 - caliboya - 作品展」を開催。
1986(昭和61)年広島県生まれの仮井さん。武蔵野美術大学を卒業後、現在はTシャツやパーカなどのオリジナルウエアも手掛けるWest Monkey Creation(台町2)でデザイナーとして活動。今回は広島電鉄の車内広告など、これまでに手掛けた作品をまとめて紹介するほか、自身がデザインしたTシャツも販売する。
漫画家を目指して上京するも、ストリートダンスにはまったという仮井さん。今回の個展ではストリートカルチャーを表現したものから、自身のテイスト活動を生かしたポップなものまで、あえてキャプションを付けずにさまざまな作品を展示しており、「ショップに入るような気分で楽しんでほしい。自分の多面性を知っていただければと思うし、格好良く、かわいいと思ってもらえるものをやっていきたい」とアピールする。
「ありがたいことに八王子駅周辺からは空きテナントがなくなりつつあることから、ほかの場所で問題解決をしていこうと決意した」と同法人代表の及川賢一さん。「街の雑居ビルにある空きテナントの使い方として新たな選択肢を示すことができれば」とも。
今回はビルの空きテナント2部屋を活用。自らの手で天井を解体し部屋の改装を進めるなど空間づくりはまだ始まったばかり。利用方法など詳細については今後明らかにしていく方針だが、中でもギャラリーについては「完全なホワイトキューブとはせず、事前に作品を見せていただくことでクオリティーをコントロールするなど工夫していきたい」と及川さん。「お金を払えば誰でも使えるギャラリーにはあえてしない」と意気込む。
個展会場は同ビルB301号室。開催時間は13時~19時。入場無料。今月10日まで。