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イオンモール、八王子に次世代型複合商業施設 2025年春に一部開業、シネコンなど出店

施設のイメージパースを手にする石森市長(左)と岩村社長

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 イオンモール(千葉市美浜区)は12月22日、八王子市内に次世代型複合商業施設「(仮称)八王子インターチェンジ北」を新規出店すると発表した。

施設のイメージパースを公開

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 今回は八王子駅から約3キロ、中央自動車道・八王子インターチェンジから約500メートルに位置する、道の駅「八王子滝山」(八王子市滝山町1)前の造成地に出店する計画を発表した。敷地面積は約10万2000平方メートル。

 「暮らしの選択肢をもっと豊かに。彩りのある新たなライフスタイルの発信拠点」をコンセプトに据え、高齢化や労働者不足、買い物難民、子育て支援、災害対策といった社会の課題を解決する拠点を形成する。このような次世代型複合商業施設は「イオングループ初」とうたう。

 イオンネクスト準備(千葉市美浜区)が英国・オカドグループと提携して開発する次世代型オンラインスーパーマーケットとして、倉庫と人工知能(AI)を活用したロボットを500台以上備えた「顧客フルフィルメントセンター」を展開。ネット販売に加え、店舗では商品のサンプルを並べ、客の注文に合わせて商品を準備し手渡す仕組みなどを取り入れるという。配送エリアには東京23区も含む見込み。そのほか、シネマコンプレックスや障がい者スポーツ対応施設、道の駅と連携した飲食店などの出店も見込む。

 石森孝志八王子市長は「八王子インター北地区にイオンモールが次世代型複合商業施設を出店することが正式に決定した。インター北地区は1986(昭和61)年に国の行革都市に認定されて以降、八王子北部の重要な拠点として整備を進めてきた。市長就任後、土地区画整理事業を着工し、2015(平成27)年には事業が完了した。後はイオンの立地を待つのみだった。その間に社会経済情勢が大きく変化し、新型コロナウイルスの感染拡大もあって、事業の計画が何度か見直される状況にもなったが、ようやく新たな出店計画が完成しわれわれとしても大変うれしくホッとしたところ」と話す。「地域の皆さんとしては大変長く待たされたという印象がある。できるだけ早くオープンしていただきたい」とも。

 イオンモールの岩村康次社長は石森市長の言葉を聞いて、「イオングループは、力を合わせて期待に応えていかなければならないという気持ちを新たにした。八王子でもこれまで以上に地域の課題や皆さんの期待に応えられるよう、イオングループ初となる次世代型複合商業施設による八王子北部の拠点づくりに取り組んでいきたい」と意気込む。

 岩村社長は現代について、「消費者のデジタル化によって生活に必要なものがネットを中心とした、より効率的な購買に移っている一方、購買も利便性だけでなく、エモーショナルな価値も求められている。生活スタイルが変化することで、人々の余暇や時間の使い方が大きく変わっていると感じる。家族や仲間など新しいコミュニティーを大切にする生活スタイルが増えてきている」と分析。

 その上で、新店舗については「道路網の要衝という立地を最大限に生かして、最新のAIロボットを駆使した最先端の商品供給システムを備えたネットスーパーとリアルスーパーを作ることで、地域に対するサービスを深めていきたい。オンラインとオフラインをシームレスに連携させて、融合する新たなライフスタイルを展開することで、八王子市を中心とした地域で暮らす皆さまの生活をより豊かにし、新しい生活基盤を提供し、八王子北部の新たな拠点として、誰ひとり取り残さない社会を実現したい」と話す。

 イオングループでは2014(平成26)年11月、JR豊田駅近くに「イオンモール多摩平の森」(日野市多摩平4)を出店。2018(平成30)年11月には八王子駅南口に「八王子オーパ」(八王子市旭町)を出店した。新施設の10キロ圏内には「イオンモール日の出」(西多摩郡日の出町)もあるが、それぞれ「競合施設だとは思っていない」と岩村社長。「屋号も「イオンモール」にするとは考えていない。われわれのコンセプトに合うネーミングを考案し、全体的なブランディングを考えている」と明かす。

 「『多摩平の森』は1日3回来てもらう、みんなが集まれる場所として作った。『日の出』のお客さまは青梅やさらに奥の方だと思っている。それぞれタイプが違う。八王子の特徴はニーズの深さにどれだけ答えられるか。単純にショッピングモールの大型スポーツ物販店ではなく、アウトドアならアウトドア、自転車なら自転車というニーズに応えたい。シネマコンプレックスも最新技術を取り入れたものになり、今までのものとは全然違うものになる。新しいタイプの時間消費とコミュニティーの創造を目指している。提供する価値の深さからコミュニティーづくりに取り組む挑戦をしたい」と話す。

 同所については、2008(平成20)年に地元住民らによる「八王子インター北地区周辺まちづくり合同会社」が滝山町の都有地を取得。2013(平成25)年には「八王子インター北土地区画整理組合」が設立され、土地の造成や区画道路の整備などが進められた。2015(平成27)年には、ひよどり山トンネル北交差点前の造成地に「(仮称)イオンモール八王子IC北出店予定地」の看板が立てられていた。

 着工は2023年春を予定する。開業は商業部分の第1期=2025年春、次世代スーパーなどを含む第2期=2026年としている。

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