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高尾山さる園・野草園で「黒トリュフ」採取 博物館で鑑定、栽培実験も

採取されたアジアクロセイヨウショウロ(写真提供=高尾登山電鉄)

採取されたアジアクロセイヨウショウロ(写真提供=高尾登山電鉄)

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 高尾山内にある「高尾山さる園・野草園」(八王子市高尾町)が6月19日、園内で「黒トリュフ」とも呼ばれるキノコ「アジアクロセイヨウショウロ」が採取されたと発表した。

「高尾山さる園・野草園」の外観

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 同園は山内のケーブルカーや、エコーリフトを手がける高尾登山電鉄(高尾町)が運営する。高尾山ケーブルカー・高尾山駅から徒歩3分の場所にあり、飼育するニホンザルを見ることができる「さる園」と、約300種の亜高山帯植物や高山植物などがある「野草園」から成る。

 今回は園内で枯れ葉の掃除など整備作業を行っていた際に偶然、2個のキノコを採取した。キノコは種類を同定することが難しいため国立科学博物館(台東区)に鑑定を依頼した。同社担当者によると、国立科学博物館に鑑定を依頼したのは今回が初めてといい、鑑定の結果、日本国内に自生するとされる黒トリュフの「アジアクロセイヨウショウロ」と認められ、同館に標本として収蔵されたという。

 同園は高尾山内に自生する植物の保全も目的に据えており、2021年には開園50周年を記念して、絶滅危惧種の花「ムラサキ」の復活を目指すプロジェクトを立ち上げるなど、さまざまな取り組みを行っている。

 今回は採集したキノコ1個を保存し、標本として加工したほか栽培に向けた実験も始めた。「当園ではキノコ栽培の経験はない。周囲に詳しい方も少ないようで、ネットなどで調べながら進めている。まだ始めたばかりで、今後、どうなるか分からない」と担当者。標本などについては園内での展示も見込む。

 「八王子市民に限らず高尾山にお越しいただく皆さまに高尾山の懐の深さを知っていただくために情報を公開した。これから夏はアサギマダラやオオムラサキといった大型のチョウが飛び、高尾登山電鉄でも保存活動をしている八王子市の花『ヤマユリ』も咲く。ぜひ高尾山の大自然を感じに足を運んでいただければ」とも。

 同社は1967(昭和42)年に「明治の森高尾国定公園」に指定された高尾山域では、動植物の採集・捕獲、損傷などが禁止されていることに注意を呼びかける。

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