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【八王子ビートレインズ特集】バスケットカウント Vol.9

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 2018年シーズンからB2リーグに参戦している「東京八王子ビートレインズ」。同チーム広報の協力の下、ホームゲームの開催に合わせ、試合の見どころや選手について紹介していく。今回はその第9弾。

 3月12日にプロバスケットボール「Bリーグ」を手掛けるジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(JPBL、文京区)が、ビートレインズに2019-20シーズンのB2クラブライセンスを交付することを決定。残留できれば今秋からのシーズンもB2リーグに出場できることになった。

 クラブライセンス交付が決まった後となる、今月16日・17日に行われたシーズン第26節「茨城ロボッツ」戦は1勝1敗。中地区最下位という状況は変わらない。そして、22日・23日には7ゲーム差で追いかける5位の「アースフレンズ東京Z」戦を迎えることになった。

 今回は両日に行われるシーズン第27節を前に次節の見どころを、チームを率いるTHTマネジメント(八王子市子安町3)広報の望月さんとともに伝える。

 

第27節の見どころ 八王子ビートレインズ広報・望月舞子

−茨城戦は1勝1敗となりましたが、中でも、16日の試合は終始ポイントをリードして進めることができました。試合を振り返っていかがでしょうか?
望月 「茨城ロボッツは、クリーアンソニー・アーリー選手が出場する想定でいたと思います。しかし今節はジョーダン・リチャード選手、アレクサンダー・ジョーンズ選手の2選手で戦うつもりでいました。この戦略が功を奏し、勝利を収めることができました。翌日はよりハードになることを想定していましたし、茨城さんも対策してくると思っていましたが、前日が良い内容で戦えていたので同じメンバーで臨みました。敗戦となりましたが、残りの試合を戦うに当たり、収穫のある一試合でした。また、ずっと課題であったディフェンスも機能していました。シーズン終盤ではありますが、やっとチームがフィットしてきたように思います」

−アースフレンズとは開幕戦、12月と2回対戦していますが、それぞれ連敗に終わっています。相手チームも負けられない試合となるかと思いますが、どのような試合になりそうですか?
望月 「お互いにけがに苦しみ連敗から抜け出せない時期がありました。しかし、シーズン終盤になり、選手も揃い、白星を挙げてきています。そういった状況も含め、お互い似たような状況にあると思います。アースフレンズ東京Zは2月末にダニエル・ジョンソン選手が加入し、チームに勢いを与えています。トレインズは茨城戦のような集中力とエナジーを持って臨みたいと思います」

−今節は「平成最後のB2東京ダービー」という位置付けですね。
望月 「アースフレンズ東京ZとはB3リーグ時代から同日開催をさせていただき、コラボ企画を実施させていただいておりました。今シーズンはB2の同地区で戦っておりますが、今まで同様、クラブ同士のコラボは実現させたいと思っておりました。平成最後となるコラボは記念グッズを製作し、トレインズファンだけでなく、アースフレンズ東京Zのファンの皆さんにも楽しんでいただきたいと思います。また、23日にはアースフレンズ東京Zのチアリーダー『Z-girls』が来場し、『Raily's』とのコラボパフォーマンスも披露いたします」

−チームとしては、B2クラブライセンスの交付が決まり、来シーズンが見えてきたかと思います。まずは残留が目標となりますが、意気込みはいかがでしょうか?
望月 「まずは第1回の判定でB2ライセンス交付が決定し、ホッとしています。あとはチームが勝つだけです。昨シーズンも会社がライセンスを取ったことで更にチームの背中を押し、上昇できたと思います。今シーズンは逆の立場にありますが、『あとは勝つだけ』という状況は同じです。今シーズンも八王子ビートレインズの意地を見せたいと思います」

−ホームゲームも今節を入れて残り3節なりました。ブースターの皆さんに向けてメッセージを。
望月 「いつも熱い応援をありがとうございます。どんな時も共に戦ってくださったファンの皆さんには感謝しかありません。先ほどもお伝えした通り、あとは勝つだけです。勝つしかないんです。1分1秒、全力で戦いますので、最後まで一緒に戦ってください。今週もご声援をよろしくお願いします」

−ありがとうございました。

3月22日(金) 19時 TIPOFF
3月23日(土) 15時 TIPOFF
会場=エスフォルタアリーナ八王子(メイン)
VS アースフレンズ東京Z

 

Pick up Player|#1 夏達維

 毎回、同チームの選手1人に迫り紹介する「Pick up Player(ピックアップ・プレーヤー)」。今回は背番号1・夏達維に迫る。

 小さい頃、近所にバスケットゴールがある公園があり、よく友だちとバスケットをして遊んでいた。当時は野球とサッカーのチームに所属していたが、バスケットを楽しいと感じ、中学ではバスケットボール部に入部する。しかしいざ、本格的にバスケットを始めると「楽しい」という気持ちより「厳しい」というイメージがついてしまい、少し熱が冷めてしまったという。そのため高校ではバスケ部に入部しなかった。

 何もしない時期が続いたあるとき、小さい頃よく遊んだ公園に足を向けた。すると同級生たちがバスケットをしていた。久しぶりにバスケットボールに触れ、改めて楽しさを再認識したと同時に、同級生たちと力の差がついていたことが何よりも悔しかったという。「もう1回バスケットをやろう。やるならプロを目指そう」と、その思いを同級生に伝えるとみんなが口を揃えて「部活に所属していない人がプロになれるはずがない」と言った。この言葉が余計に夏の闘争心に火を点けた。「部活に入らずにプロになれることを証明してやる。そしてプロになって目標を達成したら本を出版して引退しよう」

 その日から夏達維の夢への挑戦が始まった。毎日、1人で公園に行き、ただひたすら練習した。ドリブル練習だけで5時間することもあった。しかしそれくらい練習しないと周りに追いつかない、プロになれないと思った。部活動に所属していなくてもバスケットができる環境は自分で見つけられるし、プロになる道も見いだせると信じていた夏。高校卒業後は渡米し、アメリカのバスケットにも触れた。日本に帰ってきてからは数々のクラブチームでプレーし、力を伸ばしていった。そして2014年、念願のプロ契約の話が舞い込むもわずか1カ月半でチームが存続危機に陥る。夏は「今までの10年間は何だったんだ。そう絶望した時期もあった。」という。そんな時、つくばロボッツ(現・茨城ロボッツ)から契約の話がきた。「ここで結果を出さなければならない」。そう強く思った夏は26試合に出場し、チームに貢献。ずっと追い続けてきたプロバスケットボール選手の夢を掴み取った。

 今の目標はB1でプレーすること。そしていつか自伝を出版し引退する。本を書く理由について「以前は自分の決意や努力を証明したいと思っていたが、今は違う。諦めない気持ちや自分で道を切り開いていくことで夢を掴むことができるということを伝えていきたい」と話す。夏の最後のページにはどんな言葉が刻まれるのか。今日もまた新たな1ページが刻まれる。

写真提供:© TOKYO HACHIOJI BEETRAINS

【東京八王子ビートレインズ】

2012年春にバスケットボールを通じて八王子のまちおこしを目指そうと「東京八王子トレインズ」として結成。2015年には当時の国内リーグ「日本バスケットボール育成リーグ(NBDL)」に加盟。2016年秋からスタートした男子プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」では、「ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボール(JPBL)」が手掛けるB3リーグに参入した。2017年シーズンは同リーグを優勝で終え、B2・B3リーグ入れ替え戦にも勝利。今シーズンからは「東京八王子ビートレインズ」と名を変え、B2リーグで戦っている。

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