2019年シーズンはB3リーグで戦う「東京八王子ビートレインズ」。同チーム広報の協力の下、ホームゲームの開催に合わせ、試合の見どころや選手について紹介していく。今回はその第12弾。
昨シーズン、「西宮ストークス」のヘッドコーチを務めていたミオドラグ・ライコビッチさんをヘッドコーチとして招き、新体制となった今シーズンの「ビートレインズ」。アーリーカップと位置付けられている、9月14日にシティホールプラザアオーレ長岡(新潟県長岡市)で行われた2019-20シーズン第1節の「新潟アルビレックスBB」戦の後、9月28日・29日には開幕戦となる甲府市総合市民会館(山梨県甲府市)での第2節「鹿児島レブナイズ」戦を開催。28日=76-53、29日は=99-83と連勝で終えた。
10月5日・6日には、パークアリーナ小牧(愛知県小牧市)で、シーズン第3節「豊田合成スコーピオンズ」戦が行われ、5日=72-70、6日=68-65と、それぞれ僅差で敗戦。ここまで2勝2敗となっている。
今月15日・16日にはエスフォルタアリーナ八王子(八王子市狭間町)で第4節「岩手ビッグブルズ」戦が行われる。これまでの試合の振り返りと今節の見どころを、チームを率いるTHTマネジメント(八王子市子安町3)広報の望月さんと共に伝える。
第4節の見どころ 八王子ビートレインズ広報・望月舞子
−まずは第2節について。今シーズンは八王子ではない場所での開幕戦となりました。当日の反響は?
望月 「八王子から多くのファンの方に来ていただきました。また、今回は山梨県や甲府市より後援を頂きました。当日は甲府市長も来場いただき、非常に喜んでいらっしゃいました。八王子と山梨は歴史上でもゆかりのある地域ですし、JRでもつながっています。今後、八王子ビートレインズが山梨と八王子の架け橋になり、バスケットボールの普及、地域活性に貢献したいと思っています」
−第2節を振り返っていかがですか。
望月 「初戦はディフェンスが機能していました。そのため鹿児島を53点に抑えることができました。翌日は鹿児島の積極的なプレーに接戦となりましたが、トレインズのシュート確率が高く99-83という結果で勝利をつかむことができました」
−今月5日からは今シーズン初のアウェー戦である豊田戦が行われ、どちらも僅差での敗北となりました。
望月 「どちらも後半に大きく引き離されましたが、試合時間残り5分を切ったところで追いつく展開に持っていくことができました。もちろん点差を離されるまでに修正しなければならない点は多々ありますが、終盤の追い上げはチーム一丸となり、戦うことができました」
−第4節は八王子での試合です。相手は2018年に行われたB2-B3入れ替え戦の対戦相手の岩手になります。
望月 「そうですね、入替戦以来の対戦ではありますが、お互いにコーチや選手が変わり、全く違うチームになっていると思うので自分たちのバスケを遂行するだけです。けがから復帰した背番号17・アレクサンダー・ジョーンズ選手の活躍に注目いただきたいです」
−今月5日からは今シーズン初のアウェー戦である豊田戦が行われ、どちらも僅差での敗北となりました。
望月 「どちらも後半に大きく引き離されましたが、試合時間残り5分を切ったところで追いつく展開に持っていくことができました。もちろん点差を離されるまでに修正しなければならない点は多々ありますが、終盤の追い上げはチーム一丸となり、戦うことができました」
−16日の試合で、その日に都内で行われる試合を巡ると観戦チケットが半額になる企画「バスケのハシゴ」を行われます。
望月 「昨シーズンに平日開催を経験し、来場いただく方の中には仕事を休んで観戦にお越しいただく方がいることに感激しました。そこで他会場での試合までに八王子の試合を楽しんでいただけないかと思い企画しました。都内には複数クラブがありますが、どこのクラブもとても魅力的です。ぜひ、バスケのハシゴをして楽しんでいただれば、と思います」
−そのほか、石橋貴俊アンバサダーによる解説シートなど企画も用意していますね。
望月 「解説シートは、ルールや今のプレーがどうだったのかなどの説明が聞けるシートです。初めて観戦する方はもちろん、複数回見に来ている方でもお座りいただけます。今節はスーパーアルプスによる冠ゲームです。毎回好評の大抽選会も行うのでお楽しみに」
−ブースターの皆さんに一言お願いします。
望月 「いよいよ待ちに待った八王子開幕。平日にもかかわらず、たくさんの方に来場いただきます。私たちも5シーズン目を迎え、チームはもちろん『Raily's』や演出も強化してきました。ぜひ会場で楽しんでいただき、応援していただければ。16日の試合後は都内で行われる他クラブの試合もお楽しみください」
−ありがとうございました。
毎回、同チームの選手1人に迫り紹介する「Pick up Player(ピックアップ・プレーヤー)」。今回は背番号6・館山健太に迫る。
秋田県出身の館山は小学校3年生までサッカーをやっていた。しかし冬の時期は雪でサッカーができないことが多かった。そんな時、転校を機にバスケットボールと出会い、バスケを始める。ミニバスに入った時は4人しかいなかった。遊びの延長程度でバスケットをしていたが、中学に入ると複数のミニバスチームが集結し、県大会で優勝する強豪校へと成長した。高校では英語科がある高校に進学しようと思っていたところ、能代工業高校から推薦がきた。担任や顧問の先生、両親と相談し、推薦を受け、能代工業に進学する。高校2年ではインターハイ、国体優勝。館山自身はUー18に選出されるなど華やかな高校時代を過ごした。当時を館山は「高校の時はシュートもすごく入っていたし、自分でも上手かったと思う」と振り返る。
その後、専修大学を経て、秋田ノーザンハピネッツに加入。4シーズンを地元秋田で過ごした。「地元でプレーできたのは嬉しかったけど、厳しい環境がきつかった」と館山。特に試合に出場できないことが余計に館山を苦しめた。一時はバスケをしたくないと思った時期もあったという。プレータイムがもらえない以上、チームに残ることもできない。秋田との契約が満了し、青森ワッツ、そして鹿児島レブナイズとチームを渡った。「秋田にいた頃は知名度が高く、ファンも多い環境に甘えていたのかもしれない。秋田から出てみて、いろいろなことに気づくことができた」と話す。
今シーズンから八王子に加入した館山。なぜ八王子を選んだのか聞いてみると「勝てる環境でどれだけ自分が成長できるのか挑戦したかった」という。自分の弱さやバスケと向き合ってこなかった自分を変えたかった。「今はうまくなりたい。自分自身が成長すればチームに貢献できる、そしてその先にB3優勝、B2昇格がある。それが自分の価値も高めていくことに繋がる」。ここ数年、やってこなかった練習やトレーニングにも積極的に取り組むようになった。ここまで大きく館山を変えてくれたのは家族の存在だ。「八王子に来て毎日、有意義に過ごせている。自分より年上の選手や上手い選手が多く在籍するので、いろいろと聞いたり、教えてもらいながらバスケができているのが久しぶりで嬉しい。成長を感じている」と話す。
ここではさまざまな挫折を味わった館山にしかできないことがたくさんある。まだまだ館山の成長は止まらない。
写真提供:© TOKYO HACHIOJI BEETRAINS
【東京八王子ビートレインズ】
2012年春にバスケットボールを通じて八王子のまちおこしを目指そうと「東京八王子トレインズ」として結成。2015年には当時の国内リーグ「日本バスケットボール育成リーグ(NBDL)」に加盟。2016年秋からスタートした男子プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」では、「ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボール(JPBL)」が手掛けるB3リーグに参入した。2017年シーズンは同リーグを優勝で終え、B2・B3リーグ入れ替え戦にも勝利。2018年シーズンからは「東京八王子ビートレインズ」と名を変え、B2リーグに参戦していたが、昇格からわずか1年でB3に降格。2019年シーズンは再びB3リーグで戦う。