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八王子「田町遊郭跡」でアートプロジェクト-5月には大通りでイベントも

キックオフイベントとして行われたトークセッションの模様

キックオフイベントとして行われたトークセッションの模様

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 八王子の田町地区を舞台としたアートプロジェクト「Tamachi Renovation Project(田町リノベーションプロジェクト)」のキックオフイベントが3月30日、ギャラリーカフェ「MODESTE」(八王子市元横山町3)で行われた。

トークを進める3人

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 TYRANT一級建築士事務所(明神町2)の松葉さんなど6人ほどが集まって立ち上げた同プロジェクト。「アートと地域」をテーマに昨年11月ごろから同町で「何かできないか」と話し合いを進めてきた。

 浅川の南岸、八王子駅から徒歩15分ほどの距離にある同町。甲州街道沿い、横山町・八日町にあった遊郭が、1893(明治26)年8月の大火の後、同地で復興。戦後、売春防止法の施行で廃止されるまでの約60年にわたって「八王子遊郭」として一時代を築いた。現在でも遊郭が立ち並んでいた通りは片側1車線、幅員18.43メートルの幅広い道路として、かつての名残を見せる。

 「歴史を持った街が今は普通の住宅街のようになっている。これをアートの街としてよみがえらせたい」とプロジェクトメンバーで八王子市議会議員も務める大久保さん。市民レベルで街の活性化を目指すもので、「パッと印象に残る広い道。これを何かうまくアートに使えるのでは」と話す。「遊郭の跡がギャラリーになってもいい」とも。

 今回はプロジェクトのお披露目を兼ねてイベントを企画。クリエーター志望の美大生と企業の間をつなぐ活動を行っているモーフィング(東京都国分寺市)の加藤晃央(あきおう)さん、「リング」「リアル鬼ごっこ」「怪物くん」などの映画や宇多田ヒカル「SAKURAドロップス」をはじめとするミュージックビデオなどでマットアートやVFXを担当する「VFX studio LOOPHOLE」の木村俊幸さん、企業コンサルタントを経験後、現在は八王子市議会議員として活動する及川賢一さんの3人によるトークセッションが行われた。

 テーマは「地域との関わり方」「田町の可能性」「活動の継続性」の3点。自身の経験を交えながら国分寺、府中、八王子と、それぞれが拠点としている場所を取り上げ、1時間半以上にわたって展開。会場に集まった30人を超える観客からは途中笑い声も聞かれるなど、和やかなムードの中でトークは進められた。

 5月20日には同プロジェクトとして初の大規模イベント「18.43 Festival」を開催。大通りやその周辺を会場に国内外のアーティストや作家によるワークショップや展示、ライブなどを予定する。

 「アートといえば田町だよね、というイメージを付けていきたい」と大久保さん。「将来的にはアーティストがこの辺りに住んだり、ギャラリーが開かれたり、全体がアートな街になっていくきっかけになれば」。開催時間は10時~18時。大きなイベントは今後、半年に一度のペースで行っていく方針だという。

 当日は連動イベントとして、「MODESTE」を会場に「WIRED(ワイアード)」日本語版のアートディレクターを務めたことでも知られるグラフィックデザイナー・佐藤直樹さんらによるトークイベント「desart & dessert」も開催。こちらも今後は2カ月に1回のペースでイベントを開いていく予定。「若い人たちがどんどん集まるような場所にしてほしいと近所の人からお話をいただく。そのようなことになれば」と同店店主の望月さん。開催時間は17時~20時30分。参加費は1,000円。定員40人。

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