八王子北口の駅ビル「CELEO(セレオ)八王子 北館」(八王子市旭町)7階に10月25日、手ぶらでも買い物ができるようタブレット端末などを用意した「アカチャンホンポ セレオ八王子店」(TEL 042-686-3378)がオープンした。
ベビー用品などを扱う赤ちゃん本舗(大阪市中央区)が運営する同店。駅ビルへの出店は同社初。店舗面積は約280坪で、今回は店内にタブレット端末を使った注文受け付けシステムやデジタルサイネージなどを備えた「スマートショッピングコーナー」を開設。同コーナーの設置は全国で初めてだという。
同店が扱う商品は、食品、玩具、洋服など必要最低限に抑えた。そこで、同コーナーに5台のタブレット端末を用意し、在庫がない商品については、その場で注文をかけて自宅へ配達させることができるようにした。商品は1万点を超え、同社通販サイトに掲載している商品も網羅。配送エリアは1都7県で、14時までに精算を終えたものについては、早ければ翌日に届く。
500坪、1000坪と大型店を多く抱える同社。これまで専門店として品ぞろえの豊富さを売りの一つとしてきたが、「駅ナカということで、来られるお客さまも郊外とは異なる」と同社経営企画室広報担当の岩永さん。駅ビルを利用する感度の高い客に合わせ、オーガニックフードをひとまとめにして紹介するなど陳列にも工夫を凝らすほか、電動爪やすりなどこれまで取り扱って来なかった商品にも取り組んだ。その上で、店頭に並べられないものについては同システムを使って補完するスタイルを取った。
近年、ビジネスの世界で話題を呼んでいる「O to O(オンライン・トゥー・オフライン)」とは逆の発想。「フラッと立ち寄って、ここで情報を得て、買い物を楽しんで帰っていただくのがコンセプト」と岩永さん。「お客さまの買い物スタイルに当社が合わせていく」とも。店頭販売や通販と食い合うというよりは、「あくまで、見て、買い物を楽しんでいただく上での補完。これで接客を薄くするのではなく、接客の一つの道具としてアイテムを加えた」と説明する。「50坪、100坪といった店でも、これがあれば、ほかの既存店と変わらない品ぞろえが用意できる」として新たな購買スタイルに期待を込める。
デジタルサイネージについては、「今後は買い物をしながら、離乳食の作り方がわかるなど情報も得られるようにしたい」と岩永さん。オープンから3週間がたつが、コーナーの評判は上々。メーンターゲットはスマートフォンなどに親しみのある20~40代に置くが、「(最初の利用客は)70代ぐらいのご婦人だった」と幅広い世代からの利用に可能性を感じさせる滑り出しになったという。
営業時間は10時~21時。