NTT東日本八日町ビル(八日町)に設けられているイベントスペース「はちラボ」で8月3日・4日、東京工科大学(八王子市片倉町)メディア学部の学生らによるデジタルサイネージを使った物産展が開かれた。
光が画面に反射しないようシャッターを閉めながら行うなどの工夫も
多摩地区最大の山車まつり「八王子まつり」の開催に合わせて行われた同イベント。地元商店街と近隣の大学に通う学生らが協力して行われた「キャンぱちフェス」の一環でブースを構え、同大がデジタルサイネージの新たな活用法として研究・開発を進めているシステム「SmartMart(スマートマート)」を使ってもらうことで情報提供のあり方などを調べる社会実験として行われた。
今回は同学部の2~3年生が中心となって企画を準備。秋田県横手市のB級グルメとして知られるようになった横手焼きそばなど4件の情報を掲載し、会場にはタッチディスプレーを使って情報を商品の情報を閲覧・印刷できるシステムを用意。祭りの観客に自由に使ってもらった。
企画を進めるに当たり学生らは事前に生産地などを訪問。生産者と交渉してコンテンツなどを提供してもらったという。「秋田と新潟までわざわざ行き豚にも会ってきた」と指導に当たった同大講師の吉岡秀樹さん。「スーパーだと産地の表示だけで終わってしまうが、生産者にはそれ以上の思いがある。その思いを伝えられたらと考えた」とも。制作に当たっては、写真だけでなく映像も活用。生産者にインタビューを行い、その模様を紹介するなどこだわった。制作を担当した学生は「生産者の顔が見えた方が商品への安心感も違うと思うし、どこで作られているのか場所も紹介したかった」と話す。
イベント当日は会場に光が差し込むため、シャッターを半分ほど下げて行うなど工夫。「太陽光はサイネージを外に置くことへの一つの課題」と吉岡さん。「物産展に参加するにはコストが問題になり、ネットでは試食ができない。こうした活動を通して、通販にどう呼び込めるが課題」としたうえで、「今回は社会実験。操作性や年齢、性別によってどのような特徴が出てくるかを踏まえて今後につなげていきたい」と意気込む。