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南国の果物「パッションフルーツ」を八王子で栽培-果汁を使い商品化も

八王子産のパッションフルーツを使ってグミを開発した小幡さん

八王子産のパッションフルーツを使ってグミを開発した小幡さん

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 八王子産の野菜などを使ってオリジナル商品の開発・販売などを手掛ける京昌コーポレーション(八王子市めじろ台4)が現在、市内で亜熱帯地域の果物「パッションフルーツ」の栽培に取り組んでいる。

畑では、まだ実が成長を続けている

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 国内では沖縄県や鹿児島県などで栽培されているというパッションフルーツ。石垣島での栽培経験があるという同社の小幡さんが、住宅街の中にある畑で今春から手掛けている。「八王子は夏になると38、9度になることもある。南国の果物といえども八王子でも栽培できると思った」と小幡さん。

 ハウス栽培は行わず、鉢に苗を植え、底を抜いて畑で育てる露地栽培を採用。現在も17個の鉢を、園芸棚を使って育てている。「かなり世話がかかる果物」。1日で散ってしまう花のため、梅雨時には人工受粉に追われたほか、水を大量に必要とすることから、夏には水を入れたポリタンクを車に積んで毎日畑に通ったという。「亜熱帯の植物とはいえ暑すぎてもまずいようで、35度が数日続くとだめになってしまう」と収穫まで気が抜けなかったと振り返る。

 8月上旬から収穫を始め、追熟を終えた実の果汁を使って「パッションフルーツグミ」(15個入り、420円)を開発、10月から販売を始めた。「香りが良い果物だが、季節を問わずに味わえるものとして加工品を作ろうと思った」と小幡さん。「やっているのは関東でもここだけ」とも。現在、カフェ「Cafe Ho'inana」(旭町)やコワーキングカフェ「Honeycomb Stage+」(東町)など市内の店舗のほか通信販売でも扱うが、「かんですぐに香りを味わえると評判は上々」だという。

 今後は、パンやジャムなど果実を生かした新たな展開も目指すことにしており、今月30日には、イベント交流スペース「マニeカフェ」(中町)で、「小幡さんが丹精込めたパッションフルーツでカクテル試飲会」と題したイベントも予定。当日はリキュールと果汁を合わせたカクテルを自分で作る。会費は4,500円(女性は3,500円)。19時30分から。

 冬は氷点下になることもある八王子。「パッションフルーツは3年から5年持つと言われているので、冬をどう越えるかが課題」。初めての冬を乗り越えるため、苗を守るために鉢の周囲を発泡スチロールで覆うなど既に工夫を始めている。小幡さんは「来年はもっといろいろなことがしたい」と抱負を語る。

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