八王子の老舗日本茶専門店「網代園」が刷新 明治時代からの建物も生かし話題に

4月12日から営業を始める「網代園」の新店舗(撮影:広川智基)

4月12日から営業を始める「網代園」の新店舗(撮影:広川智基)

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 八王子駅近くの国道20号(甲州街道)沿い「八日町交差点」横の老舗日本茶専門店「網代園」(八王子市横山町)の店舗などをリニューアルする「網代園再開発プロジェクト」の第1期工事が終わり、4月12日から新店舗での営業を始める。

外構工事の様子を見守る松葉さん

 明治中期から残る同店。日本茶葉のほか、茶器や海苔(のり)なども扱う。甲州街道に面する新店舗は2階建てで、鉄骨造。ガラス張りながらも日本家屋をほうふつとさせる軒を設けるほか、裏通りに当たる西放射線通り商店街(ユーロード)が斜めに通っていることから、2階を少し曲げることで甲州街道とユーロードの、それぞれに面するようにするなど随所に工夫を凝らす。

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 プロジェクトは昨年6月ごろに開始。老朽化が進んでいた店舗の建て替えに加え、明治時代から残る蔵、第2次世界大戦直後に建てられた日本家屋、昭和40年代に建てられた3階建てのビルのリノベーションも進めている。

 新店舗の設計は、2階部分が宙に浮いたように見える建物で世界的に話題となった長澤歯科医院(東浅川町)を手掛けたことでも知られる建築家で、TYRANT(明神町2)の松葉邦彦さんが担当。「建設会社は図面を読むのに苦労したらしい」と笑う。

 蔵や家屋など古い建物については、曳家(ひきや)を行って生かす形をとった。「大切にされており、それを残して次の時代に受け継いでいきたいと当初からおっしゃっていた。家屋を動かし蔵を動かし、家屋を元の位置に戻して、空いたところに店舗を作るとパズルのように解いていかなければならなかった」。曳家の前には建物の土台の改修が必要となるなど職人にとっても苦労の連続だったという。「家屋については、1回ずらして基礎を作って元に戻すというアクロバティックなことをやったと思う」と振り返る。

 今後はビルのリノベーション工事に加え、甲州街道とユーロードを結ぶ外構工事も進めていく。デザインはランドスケープ・アーキテクトとして活躍するフォルク(文京区)の三島由樹さんが手掛けており、敷地の一部はオープンスペースとして活用。石の角を取るため職人が一枚ずつ手作業で作業を進めており、松葉さんは「この部分が一番手間がかかっているかもしれない」と話す。

 プロジェクト全体は今夏前までには終える予定。松葉さんは「明治中期に建てられた蔵と戦後直後に建った日本家屋、昭和40年代に建ったビルに新しく建った店舗と4つの時代と、いろいろな建築様式が混在している。八王子の真ん中に古い建物や新しい建物がぎゅっと寄せ集まっていて、街の縮図のよう」とほほ笑む。

 営業時間は9時30分~19時(日曜・祝日は18時まで)。

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