飛鳥ドライビングカレッジ(八王子市左入町)を運営する飛鳥交通(新宿区)は1月29日、昨年10月に破産した八王子自動車教習所(日野市旭が丘1)の事業を引き継ぎ、「飛鳥ドライビングカレッジ日野」として営業を再開した。
飛鳥交通は首都圏を中心としたタクシー事業や液化石油ガス(LPG)のガススタンドなどの事業を行うほか、「飛鳥ドライビングカレッジ」の名称で八王子を皮切りに埼玉県川口市や神奈川県川崎市に自動車教習所を展開している。
八王子自動車教習所は1960(昭和35)年に東京都公安委員会から指定を受けた自動車教習所。JR中央線・豊田駅のそばに立地し、普通免許のほか、大型、中型免許の取得に向けた教習を行っていたが、昨年10月31日、経営不振を理由に東京地裁に破産手続きの開始を申請したと発表。それまで行われていた教習事業をすべて打ち切り、在籍していた社員を全員解雇した。その模様は大手メディアが報道したほか、インターネット上でも債権者集会の動画が公開されるなど、大きな話題となった。
その後、元社員らが会社事務所に「東京自動車教習所労働組合八王子自動車教習所支部」を立ち上げ活動を行うなどの動きがあったが、1月19日、飛鳥交通との間で自動車教習所の事業譲渡契約が成立。旧八王子自動車教習所の職員約30人を再雇用し、1月29日から指定教習所としての事業を再開した。2月1日からは学科や技能の講習も再開。破産手続きの開始から約4カ月で一定のめどがついたことになる。
旧八王子自動車教習所に在籍していた教習生約1,700人に対しては、入校料や修了・卒業検定料は徴収するものの、学科講習料、技能講習料、効果測定料を免除する。これにより、契約打ち切りの時点が普通自動車免許の第1段階だった場合、最低36,800円で改めて入校することができるようにした。