工学院大学八王子キャンパス(八王子市中野町)に拠点を置く「ソーラーチーム」が、今秋行われる「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ(WSC)」参戦に向け、6月末の新たなソーラーカーの完成を目指して準備を着々と進めている。
2013年にWSCに初参戦した同チーム。前回大会である2015年は実用車に近いレギュレーションが設定されている「クルーザークラス」に挑戦。クラス最速でゴールしたものの、最終順位では2位となる波乱の結果となった。
今秋の大会に向け、1月にWSC参戦を発表。「チャレンジャークラス」での出場に向け、現在は監督を務める同大機械システム工学科の濱根洋人准教授の下、新入生100人を含む全学から集まった約300人のメンバーが活動を行っており、新たにキャンパス内に設けられた「ソーラービークル研究センター」を拠点に日々、新車の開発などを手掛けている。
70人ほどが携わっているという新車開発の作業は大詰めを迎えており、チームリーダーの機械工学専攻で修士2年の中川拓朗さんは「床に銀マットを敷き泊まり込んで作業している。順調に来ている。シークレット・ウェポンも用意しているし足回りも相当特殊なものになる。一つ一つが前例のないもの。前回は負けて悔しい思いをしているので、今年こそは優勝を狙って頑張っていきたい」と意気込む。
前回大会が終わった直後の2年前から新車の設計に取り組み始めるなど、今秋の大会に向けて並々ならぬ力を注いできた。「オーストラリアから帰ってくるところから、次に向けてみんなで盛り上がった。レギュレーション発表がちょうど1年前。それより前から予想していろいろやっていた。前回は学生を表彰台に上げることができなかった。もうやるしかない」と濱根准教授。新車披露を前に「ソーラーカーが好きな方もそうでない方も愛着を持っていただける、面白く驚きのあるものをお見せしたい。月末に向けていいものにしていきたい」と話す。
WSCはオーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまでの約3000キロを走破する世界最大のソーラーカーレース。2年ごとに行われており、今年で13回目。10月8日~15日の日程で、「チャレンジャークラス」「クルーザークラス」「アドベンチャークラス」の3つのクラスで争われる。