醸造所をシェアして自分だけのビール造り 施設オープンに向け準備着々

オープンな空間となっている「Shared Brewery」の醸造所

オープンな空間となっている「Shared Brewery」の醸造所

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 京王線・平山城址(じょうし)公園駅から徒歩10分ほどの場所で、オリジナルビール造りを体験できる醸造所「Shared Brewery(シェアード・ブルワリー)」(八王子市長沼町)が現在、オープンに向けた準備を進めている。

小型の鍋は一般の人がビール造りを行う専用のものとして用意

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 製造免許の問題もあり、個人ではオリジナルのビール造りを楽しむことが難しいことから、醸造所の設備を一時的に希望者に貸し出すことで、ビール造りを楽しんでもらうことを狙いとする同施設。空きテナントを改装し、敷地の半分を醸造設備、残りの半分を試飲などが楽しめるスペースとすることで仲間づくりや交流の場としての役割も見込む。

 自社の生産工程を活用することで、一般の人でも小ロットからビール造りができることが特徴。醸造所内には、米国から輸入したという40リットル分のビールを造ることができる鍋などが用意されており、冷却装置なども備える。

 鍋を温めるコンロはホームセンターで購入したレンガなどを土台にしたほか、モルト粉砕機も部屋の一部を改装して用意。ビールサーバーも業務用の冷蔵庫を改造するなど多くを手作りした。同社の小林大亮社長は「ビールを造りたい人をターゲットにすることで、その人たちが満足できるレベルの設備にすることができた」と話す。

 「ニュージーランドにいた時、ホームブルーイングという自家醸造でビールを造る趣味がとても盛んだったが、日本では酒税法の規定でできない。こんな楽しいことを日本でも広められたらきっと良いビジネスになるのではないかと思ったのがきっかけ」と小林さん。「日本酒やワインなどと違って、ビールはレシピがオープン。世界中のホームブルワーがレシピを作って、いろいろな人と飲み合っているので、どんどん進化している。プロの醸造家だけが進化させているわけではないのが面白いところ」とも。

 大学院在籍時に作り上げた、ビールの自家醸造に関するビジネスプランが評価されたことから話が動き出したという。「自家醸造を合法化することはできないが、造りたいというニーズは少なからずあるはず。そういう人たちが安心して、ビールを造れる場所があってもいいのでは」と小林さん。酒造の製造免許の取得の際には「醸造を体験させる醸造所」として申請。「こういった形で免許を取ったところは初めてなのでは」と話す。

 1年がかりで準備を進め、現在はビールの製造に向け準備を進めている段階。初年度は100人程度にビールを造ってもらうことが目標だという。「ようやくスタート地点に立った段階で、まだ走りだしてはいない。リピーターを増やせるよう楽しさを提供できれば。いろいろな方に知っていただいて、ビールは飲むだけではないとアピールできれば」と意気込む。

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