古書店「まつおか書房」の本店が8月29日、京王八王子駅前の「ラーメン御殿」跡(八王子市明神町4)に移転、オープンした。
ネットを通じた通信販売も展開するなど、さまざまな形で古書を扱う同社。一般書籍に加え、八王子をはじめとした多摩地域の書籍をまとめた目録「はちたまかたろぐ」を配布するなど地域資料の扱いに強みを持つ。
今回は京王八王子駅近くのビル「タック八王子」の1階に出店。運営体制の刷新に加え、都の産業交流拠点をはじめ、京王八王子駅周辺ではさまざまな施設の整備が進んでいることもあり、店長の木村亮さんは「本を読まれる方のニーズを考え、移転先を選んだ」と話す。営業開始から38年になるが、本店の移転は初めてだという。
店では2~3万冊の古書を取りそろえる予定。店頭に並んでいない書籍でも在庫がある場合は問い合わせに応じるほか、本の買い取りにも対応する。「今後は哲学書を充実させたい」と木村さん。近隣には東京都立南多摩中等教育学校などもあるため、学生から団塊の世代まで幅広い層をターゲットに据える。「今までこの周辺には路面店の書店がなかった。これまで本を読んでこなかった子どもたちにも興味を持ってもらえれば」とも。
地域資料については、今後も充実させていく方針。木村さんは「地域誌は外せない」とした上で、「この街がどういう街なのか興味を持っていただいた方のために力を入れていきたい」と言う。
オープン記念として、9月中旬ごろまでの予定で2割引セールを実施。「終活を兼ねて本を処分される方も非常に増えており、今まで探していてなかったレアな本も出てきている。欲しかった本を見つけていただければ」とアピールする。
営業時間は10時~22時。