八王子在住の女子高校生が5月20日、新型インフルエンザウイルスに感染していたことを受け、市や保健所、八王子周辺の企業が対応に追われている。
市は深夜に開催した「第3回危機管理本部員会議」で市内各施設へのマスクや消毒液の配置、マスク着用を啓発するポスターの掲出、行政窓口で対応する職員のマスク着用などを決定。また、市が巡回させている「安全パトロールカー」を使って、防犯活動とあわせて新型インフルエンザへの注意を促すことを決めた。小・中学校の休校は行わない。
本日15時時点で、市保健所には286件もの問い合わせが寄せられ、12時からの3時間だけで120件を超える問い合わせがあったという。これとは別に市役所にも問い合わせが殺到。「マスクが入手できないのだがどうしたらよいのか」「情報開示をしっかりとしてほしい」といった声が寄せられているという。
市は「患者さんは帰宅途中マスクをしており、せきもないので、帰宅経路などでの感染リスクは低いと考えられる。市民の皆さんにおかれては、まずは冷静に、落ち着いて行動して」と呼びかける。
JR東日本は八王子市内と女子高校生が通う川崎市内などの有人駅で、駅社員のマスク着用を実施。京王電鉄も京王八王子駅などでマスクの着用を開始した。これらの対策と併せて両社とも、車内放送や構内放送で一般へのマスク着用やせきのエチケットを呼びかけていくという。
ダイエー八王子店(八王子市横山町)も店内で働く従業員のマスク着用を実施。店入口にテーブルを出し、客が手を洗うための消毒液を置いた。東京サマーランド(あきる野市)はホームページ上で「せきや発熱などの症状が確認されたお客様につきましては入園をお断りすることがある」と発表。この他にも市内のコンビニエンスストアなどで、従業員のマスク着用が進められている。
八王子周辺にキャンパスを置く中央大学(東中野)、拓殖大学(館町)、東京造形大学(宇津貫町)、明星大学(日野市程久保2)なども次々と対応策を公表。現時点ではどの学校も休校などの処置はとらず、通常通り授業を行うという。