八王子市、チャイニーズ・タイペイパラリンピック委員会と日本工学院八王子専門学校(八王子市片倉町)が2月2日、東京2020パラリンピック競技大会に向け、パラ・パワーリフティング選手の事前キャンプを受け入れるため連携協定を結んだ。
パラ・パワーリフティングは下肢に障がいのある選手によるベンチプレス競技で、障がい別のクラス分けはなく、体重を基に男女とも10階級に分かれる。今回のパラリンピックでは、8月27日~31日の日程で東京国際フォーラム(千代田区)を舞台に戦いが繰り広げられる。
今回は今月1日・2日の日程で、同校で「全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会」が開催されたのに合わせて協定の締結式を実施。石森孝志八王子市長や同校の前野一夫校長、チャイニーズ・タイペイパラリンピック委員会会長に代わり、チームリーダーのジャン・チンチュアンさんが出席し、協定書の交換などが行われた。記念品として石森市長が八王子織物の手拭いやタペストリーなど、前野校長が八王子キャンパスの風景が写ったフォトスタンドをジャンさんに手渡すと、ジャンさんからは台湾茶がそれぞれに贈られる場面もあった。
今回の協定ではパラ・パワーリフティング台湾代表のリン・ヤ・シュエン選手、コーチなどが参加して八王子で事前キャンプを実施。大会直前の8月4日~8日の間、同校内のメディカルフィットネスセンターを練習の場として提供するほか、学生が選手のサポートを担う。市は選手の練習に支障がない範囲で市民との交流事業を行うという。
協定を締結したことについて、「我々を八王子に招待いただいたことに感謝申し上げる。今回の協定を通じて両国の交流を持って深めていければ」とジャンさん。「事前キャンプを通じて選手も力を高められると確信している」と話す。
石森市長は「事前キャンプ地に決定していただき大変うれしく歓迎したい」とした上で、2006(平成18)年に台湾の高雄市と海外友好交流都市の関係を結んだことを引き合いに出し、「行政レベル、市民レベルでさまざまな交流を深めてきた。台湾のチームができるだけ八王子で事前合宿を行っていただけるよう誘致活動を積極的に行ってきた」と明らかにした。「ぜひこの機会に八王子の市民の皆さんとも交流を図っていただいて、八王子の魅力や市民の温かさを感じ取っていただければ」とも。
「非常に素晴らしいチームの事前キャンプをサポートできることをとても光栄に思っている」と前野校長。「これからも日台の関係が発展すれば」と期待を込める。