日野市は2月26日、大幅な財源不足が発生したことから「財政非常事態宣言」を行った。
これまでと同様の財政運営では必要な行政サービスの提供が困難になると見込まれることから、財政非常事態宣言に至ったという日野市。財政非常事態宣言を行うのは、1998(平成10)年度、2008(平成20)年度に続き3度目となる。
2020年度予算案では、一般会計で約683億円を計上しているが、法人市民税が税制改正や企業の業績不振などから減少し、市税収入は約305億円となる見込み。4月の地方公務員法、地方自治法の改正で「会計年度任用職員」が制度化されることに伴う歳出増などもあり、大幅な財源不足が発生したという。
国や都の支出金などを除いた不足分については、地方債の発行や基金の取り崩しなどで対応することにしており、前年度との比較では「一定程度、財源不足は抑えられたものの、大幅な財源不足が生じている状況に変わりはなく、引き続き基金や地方債に頼る財政運営となっている」と説明する。
2021年度からの5年間を「財政再建期間」と位置付けるが、2020年度は「財政再建計画」の策定に向け、市長・副市長・教育長の報酬減額や市計画道路の工事休止、職員の働き方改革を進めることでの時間外手当の削減、市の負担が大きい既存事業の見直しなどを行った上で、夏ごろをめどに方向性を決めていく方針。
市は市民に対して「『諸力融合』の下、皆さまと力を合わせ、この財政危機を乗り越えるための取り組みを進めていく」として、理解と協力を求めている。