イベントの企画・運営などを手掛けるカフス(八王子市横山町)などが協働で開発した「プッシュボトル足踏スタンド」が5月22日、都内の企業・団体などへ向け発送された。
消毒液などのプッシュボトルを手を触れずに、足でペダルを踏むことで操作できる製品。設計・開発=フォレスト、デザイン・プロモーション=カフス、生産=森崎工業、販売・取りまとめ=森崎ホールディングスの4社が協働しプロジェクトを進めてきた。
手持ちの容器を本体にセットし、フットペダルを踏むと、ノズルから容器の内容物が噴射される仕組み。噴射時に直接、ノズルが手などに触れるリスクが低減されるという。ステンレス製で、さまざまなサイズのボトルに対応。最大サイズの容器を設置した場合の高さは94.2センチ。幅=29センチ、奥行き=26.2センチ。重さは3.2キロ。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、カフスの米谷崇亜さんは「『いまだかつてない経験』と言葉をよく見聞きする今、普段の会話など私たちだけの世界で想像して、話をしているだけではいけない、形にして届けないといけないと思った」とプロジェクトを立ち上げた経緯を説明。「消毒液が施設や店舗の入り口などに置いてあれば、使用する方が多くなってきていると感じる。不特定多数の人が触っているので、除菌意識が高い方々は一瞬たじろぐのでは。自ら小分けの消毒液や除菌シートを携帯している人もいるとも思う。皆さんの接触リスクをなるべく減らす努力の一端を担えたら」と話す。
足踏み式にしたことで、「ボトルを設置する箇所がペダルを踏むことで上昇する機構により、ノズルの位置が上下しない設計になっている」と米谷さん。生産スピードを上げ速やかに供給できるよう作りも簡潔にし、「不良や故障のリスクも軽減できる」とも。
現在は消毒液などの利用を想定しているが、「落ち着いてくれば、この装置を別の用途にも使ってもらえると考えている」と米谷さん。「生活や経済活動の習慣、社会構造と自身の立ち位置を見直すチャンスが今だとしたら、私たちカフスは新しい考え方、生き方、大切に思っていることを今いる場所から考え、その景色に向き合って自分や家族、友達、身近な人たちの健康的な生活を思い浮かべ実現したいと思い製作している」と話し、「今私たちができることを一緒にしましょう」と呼び掛ける。
価格は1万5,000円。現在は販売エリアを都内に限定しており、個人での購入はできない。初回は100台限定。10台販売するごとに、1台を公共施設に寄贈するという。