
NPO法人「八王子視覚障害者福祉協会」(八王子市明神町4、TEL. 042-642-3001)をはじめ、広域八王子圏で不要なマスクを回収して、必要なところに再配布するプロジェクトがさまざまな形で立ち上がっている。
同会では5月27日から、通称「アベノマスク」と呼ばれる、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に政府が全戸配布を進める布マスクについて、不要な人から寄付を募り、使い捨てマスクと交換した上で、保育園など必要な施設に配るプロジェクトを立ち上げた。
同会の宮川純さんは「会員や利用者、従業員、友人などから政府から届いたマスクが小さく使うには不便と聞いた。使用しないと言われたので、何かできないかと思った」と説明。SNSを通して保育園などが子ども向けのマスクを集めていることを知り、同会では2000枚の使い捨てマスクを保管していたことから交換の上で、「そこへ寄付しようと思った」と話す。
事務所にマスクを持参した人には、使い捨てマスク5枚と交換する。寄付は郵送でも対応する。持参する場合は事前に電話で問い合わせてほしいという。「保育園児や入院中の子どもたちなど、そのマスクを必要としている方がいる。頂いたマスクは必要としている方に届ける」と宮川さん。
京王八王子駅近くのレストランバー「SCENE(シーン)」(明神町4)マネジャーの吉見直高さんらは政府配布のマスクだけでなく、市販の使い捨てマスクや洗濯可能なマスクの寄付を受け付け、市内の児童養護施設や福祉施設に届ける「マスクPay it Forward」運動をスタートさせた。
5月下旬から市内の商店に向け、参加の声掛けを始めたところ、2日間で50店以上から協力の表明があったという。「八王子の店のレスポンスの速さ、行動力、利他の心はすごい」と吉見さん。「八王子は善意あふれる素晴らしい街。皆さまの力でさらにすてきな街になる」とも。
マスクの寄付については、日野市が5月22日、市役所本庁舎や支所、連絡所、図書館に「マスク寄付箱」を設置して受け付けを始めたほか、多摩市も政府配布のマスクに限って寄付を受け付けるなど、行政でもさまざまな取り組みが進められている。