八王子北部の滝山城を題材にした漫画「マンガでわかる滝山城」が現在、「滝山城築城500年記念事業」ホームページで公開されている。
滝山城跡は国指定史跡。戦国時代の1521(大永元)年に大石定重が築城後、大石氏が娘婿として迎え入れた北条氏照が入城し居城した。2017(平成29)年には日本城郭協会(品川区)が「続日本100名城」の一つとして選定。昨年6月に「日本遺産」として認定された高尾山を題材にした地域型ストーリー「霊気満山(れいきまんざん) 高尾山 ~人々の祈りが紡ぐ桑都物語~」でも、構成文化財の一つとなっている。
今年が築城500年の節目であることを受け、市民に広く滝山城の魅力を知ってもらおうとさまざまな事業を展開。今回は地元の町会や自治会、住民協議会、大学などが参加する「滝山観光まちおこし実行委員会」が中心となり、24ページの漫画を新たに制作した。
八王子の小中学校に通う姉弟が、約450年前の1569(永禄12)年に滝山城で繰り広げられた合戦の最中にタイムスリップし、北条氏照の案内で城内を巡り、その特徴を知りながら、合戦の戦況を見守る物語となっている。市は制作した理由について、「漫画の強みである読まれやすさ、気軽さ、理解しやすさを生かし、郷土の歴史に触れ興味を持ってもらうきっかけにしていく」と説明する。
ホームページ上での掲載のほか、7月1日から八王子駅前の観光案内所「八王子インフォメーションセンター」(旭町)や高尾山口駅横の観光案内所「むささびハウス」(高尾町)などで、漫画をまとめたA5サイズの冊子の無料配布を始める。同月上旬には「GIGAスクール事業」を活用し、市立学校に通う全ての小中学生に漫画の閲覧用データを提供し、教育の場で活用できるようにするという。
滝山城のジオラマや歴史などをまとめたパネルを展示する「滝山城パネル展」を7月1日~12日、サザンスカイタワー八王子(八王子市子安町4)4階の八王子駅南口総合事務所で開催するなど、今後もさまざまな記念事業を行う予定。