高尾山を代表する焼き菓子「天狗(てんぐ)焼」の生地を材料に使ったオリジナルビール「天狗焼IPA」が7月22日、発売された。
北海道産黒豆を使った「あん」と、烏(からす)天狗の姿が特徴の「天狗焼」は、高尾登山電鉄(八王子市高尾町)が高尾山ケーブルカー・高尾山駅横で運営する「高尾山スミカ」で2007(平成19)年4月から販売している。2019年(平成31)年3月には販売開始からの個数が500万個を達成した。
今回は高尾ビール(下恩方町)とコラボし、「天狗焼」を作る際に出る生地の切れ端を材料にしたビールを作り上げた。インディアペールエールで、「甘い菓子にもよく合う苦味の効いたビール」とうたう。高尾山スミカでは数量限定、持ち帰りのみ販売している。
高尾山スミカと高尾ビールは、高尾山で行われたイベントをきっかけに縁ができ、コラボは今回で2回目だという。高尾山スミカ店長の小泉博さんは「第1弾では店のそば処で使っているそば粉を使ったビールを造り販売した」と話す。
今回の商品について、「天狗焼の周りの部分は、これまでお客さまに試食で提供していたが、コロナ禍でそれができなくなってしまった。そうすると廃棄せざるを得ない。フードロスなどの問題もあるので、捨ててしまうものをうまく転用できないかと思って始めた」と説明する。
販売を始めて2週間ほどたった8月2日時点で残りが約70本と売れ行きは好調だった。「一番売れた日だと1日で80本ほど出た日もある」と小泉さん。「高尾山スミカのコンセプトとして、八王子についての発信がある。第3弾、第4弾と定期的にやっていきたい。今後も楽しみにしてもらえれば」と話す。
価格は660円。