「沖縄そば専門店 和(かず)」(八王子市横川町、TEL 042-627-6755)が沖縄そばやオリジナルの調味料を扱うECサイトを立ち上げて1カ月がたった。
スープを湯せんし、麺をゆでることにより自宅で沖縄そばが楽しめる
八王子市役所近くの横川橋公園バス停前に位置し、店内にはテーブル席など約40席を用意する同店。沖縄そばやソーキそばなど沖縄料理に加え、店主の渡真利和也さんによる創作料理なども提供している。昨年12月20日に「アオサ入りソーキそば」に「ゆし豆腐そば」など好みの商品をセットにした「選べる!沖縄そば2食セット」(2,980円)や、コーレーグースや薬味しょうゆなど4種類の自家製調味料などを扱うサイトをオープンした。
販売している沖縄そばは自家製麺を使用。沖縄の海水塩を練り込み、保存料や着色料などの添加物は使わないなどこだわる。「それまで店では製麺所に麺を頼んでいたが、ECをやるとなると消費期限がどんどん迫ってしまう。それは難しいと思ったし、おいしいものを作りたいとも思ったので、自分で作ることにした」と渡真利さん。「スープは冷凍してあるので湯せんしてもらい、麺を2分半ゆがいてもらって、後は合わせるだけ。1食ずつ包装しているので、食べたくなった時に冷凍庫から出して食べてもらえれば。僕がおいしく作るのはプロなので当たり前。ECでは僕の手を離れても簡単においしくできるようにすることが理想。『小学生が作れるもの』をコンセプトにした」と話す。
調味料はそばの「味変」を楽しんでもらうために開発。辛味となるコーレーグースはスパイスを足すなど工夫したほか、うまみを増す煮干し油、塩味を増すだしと薬味やレモンなどを入れたしょうゆ、酸味を増すドライフルーツやハーブを入れたビネガーの4つを作り上げた。「沖縄そばのスープはシンプルなので飽きづらいとは思うが、その日によって食べたいものも違うと思う。辛味、うまみ、酸味、塩味の4つそれぞれが増す調味料を入れて味わってもらえれば」と渡真利さん。それぞれの調味料はほかの料理にも活用でき、「普段の食卓の料理でも調味料が変わるだけで味は全然変わる。これだけで味が変わるのは素晴らしいこと。個性的なものを作ろうと思った」とも。
「祖父や祖母は宮古島にいるし、いとこは沖縄にいる。食べに行きたいと言われても、なかなかこちらまで来てもらえない。おいしい沖縄そばを作って、その人たちに届けたいという思いがある」と渡真利さん。その思いはコロナ禍で加速したという。「販路を拡大しようと考えた時に、キッチンカーかECをやろうと思った。ただ、キッチンカーは僕が店からいなくなるというリスクがある。そこでECをやるため製麺や調味料、総菜など製造業の許可を取るなど約2年前から動いてきた」と話す。
渡真利さんは「自家製麺とスープは僕のオリジナル。おいしいもののベースができたので、それをアレンジしていくのが正しい道だと思う。その提供スピードを早くし、バリエーションを増やしていけばお客さんにもっと喜んでもらえると思う」とした上で、「おいしいものを届けるのであればこちらから送るほうがいい。将来的にはECと店舗の売り上げを逆転させるところまで行きたい」と意気込む。
営業時間は、11時~14時30分、17時30分~20時(水曜は17時30分から営業)。