
西東京バス(八王子市明神町3)が3月29日、大型EV(電気自動車)路線バスを導入し運行を始めた。
今回は中国・BYD社製の大型路線バス「K8」を五日市営業所に2両、同営業所青梅支所に1両を導入した。京王八王子駅~武蔵五日市駅間など八王子市内のほか、あきる野市、福生市、羽村市、昭島市、日の出町、檜原村などで運行する。同社は「東京都内における乗り合い路線バスでは初の事例」と説明する。
車長は10.5メートルで同社の大型路線バスと同じサイズ。車幅は2.5メートル。定員は乗務員を含めて81人。エアコンを使わなかった場合、3~3時間30分の充電で220キロを走ることができるという。
同社は当初、今月上旬から運行を始める予定だったが、日本法人のBYDジャパン(神奈川県横浜市)が2月23日、ボルトやナットなどに防さび剤として六価クロムを使っていることを認めたことから車両の使用を見合わせていた。今回、製造元や国土交通省がそのまま使っても人体や環境へ影響がないと見解を示したことに加え、該当する部品の全てを交換する作業が終わったことから運行開始に踏み切った。
バス自体が大型の電源設備になり、災害時などには電源を供給する機能を持つことから、同社は「お客さまを運ぶ以外の有効な利用策が見込まれる」としている。東京電力ホールディングスと連携し、バス営業所にEV路線バスに対応した受電設備や充電器の供給なども進め、地域の防災・BCP拠点として活用することも検討していく方針という。