京王電鉄が7月3日、今秋から京王線・井の頭線で「鉄道乗車ポイントサービス」を始めると発表した。
スマートフォンアプリ「京王アプリ」で10月1日から新たに始める同サービス。事前に会員登録をした「PASMO」で京王線・井の頭線を乗車した際に利用回数や運賃に応じて「京王トレインポイント」を付与する。
大人運賃で利用する場合、同一月内に同一運賃区間を複数回乗車した際にポイントを付与する。付与率は乗車回数ごとに異なり、月5~8回=乗車運賃の累計1%分、9~16回=同4%分、17~24回=同8%分、25~32回=同12%分、33回以上=同14%。
同社はサービスを始める同日に運賃改定を行うが、改定後の運賃で新サービスを使った場合のモデルも明らかにした。例えば、ICカード運賃で同じ209円となる新宿~千歳烏山間を週2回、渋谷~千歳烏山間を週1回それぞれ往復で利用した場合、ひと月に乗車運賃の累計の8%分である401ポイントを付与するとしている。
子ども向けには、登録した「小児用PASMO」で乗車した場合、1回の乗車ごとに乗車運賃の50%分のポイントを付与する。子育て世代への応援が目的で、同社広報担当者は「お子さまが当社線を乗車しやすい環境とすることで、子育てしやすい沿線を目指す」と話す。
たまったポイントは、京王パスポートクラブ(渋谷区)が展開し、京王百貨店や京王ストア、京王アートマンなど京王グループの各社などが採用しているポイントサービス「京王ポイント」に交換できるほか、「セブン銀行」のATMを利用し、1ポイント単位で「PASMO」にチャージすることができる。「京王ポイント」に交換する場合、ポイントを10%上乗せする特典も用意する。
同社は今回のサービス導入について、「コロナ禍を契機として定着したテレワークなどの生活スタイルをサポートし、外出機会を創出するため」と説明する。
同社は今回のサービスの導入に先駆け、「普通回数乗車券」「時差回数乗車券」「土・休日割引回数乗車券」のそれぞれについて、8月31日をもって販売終了することも明らかにした。通学用、身体障がい者用、知的障がい者用の各回数乗車券については販売を続ける。「今後は鉄道乗車ポイントサービスの拡充を図るなど、利便性の高いサービスを提供していく」と担当者。