京王電鉄は11月6日、1月に営業を終了した京王プラザホテル多摩(多摩市落合)があった「京王多摩センタービル」を建て替えると発表した。
京王相模原線・多摩センター駅や小田急多摩センター駅から徒歩3分の場所にある同所。ホテルは1990(平成2)年4月に開業した。京王プラザホテル(新宿区)が2021年12月、閉館した上で八王子駅前に展開する京王プラザホテル八王子(八王子市旭町)に営業を集約することを発表。今年1月に33年の歴史に幕を下ろした。
商業施設と分譲マンションから成る複合施設に建て替えることを同日に行った取締役会で決めた。敷地面積は約5500平方メートル。今月から既存建物の解体工事を始め、2025年4月に新築工事を開始。2028年度中に新施設を開業するスケジュールを立てた。総事業費などは明らかにしていない。
新施設について、ペデストリアンデッキに面する低層部には商業施設を配置する。オープンスペースなども設け、同社は「ペデストリアンデッキや周辺施設と一体となったにぎわい創出を目指す」と説明する。駅周辺の活性化に向け、商業施設内に「地域貢献施設」の位置付けで、イノベーションの創出を促す交流拠点や会議などに利用できるバンケットルームなどの設置も検討しているという。
高層部は分譲マンションとして展開する。多摩ニュータウン外からのファミリー層の流入や多摩ニュータウン内での住み替えを促す。「多世代に向けたさまざまなタイプの住宅の提供を行い、沿線・多摩ニュータウンに愛着を持って住み続けていただくことを目指す」とも。
同社は「多摩ニュータウンの中心である多摩センター駅周辺は、高い交通利便性、商業施設の集積に加え、公園など豊かな自然も有している。多摩センター駅前に新たなランドマークの開発を行うことで、商業機能の強化によるにぎわい創出と新たなファミリー層・若年層の流入を通じて多摩センター駅周辺のさらなる活性化を図る」と説明する。