
八王子市の文化施設「いちょうホール」(八王子市芸術文化会館、八王子市本町)が7月1日、リニューアルオープンする。
1994(平成6)年に開館した同施設。大ホール、小ホール、練習室、展示室、茶室、創作室、会議室などを備え、これまでさまざまな公演や展示会などのイベントが行われてきた。
今回の改修では、大ホールの客席を2席減らし800席にし、天井の改修に伴うスピーカーの更新や客席の布地の張り替えなどを行った。小ホールは288席から282席に減らしたうえで、座面の拡幅など客席の更新、ホワイエへのエレベーターの新設などを行った。レストランスペースだった場所は多目的室に改修したほか、全てのトイレの洋式化や多目的トイレの増設などバリアフリー対応も行った。
7月1日は市民向けに内覧会(14時~15時)を行う。翌2日はリニューアルを記念した展示や茶会、ロビーコンサートなどさまざまなイベントを行う。同日13時からは大ホールでオープニングセレモニーや、こけら落とし公演などを行う。式典への出席には無料の入場チケットが必要。6月17日から「J:COMホール八王子」(子安町4)、八王子市学園都市センター(旭町)、南大沢文化会館(南大沢)の各施設でチケットの追加配布を行う予定。
八王子市は開館から20年以上が経過したことから、設備の更新など大規模改修が必要として、学識経験者らによる検討会や学生などが参加したワークショップ、明星大学(日野市程久保2)デザイン学部デザイン学科の学生による同施設改修案なども踏まえて、2020年3月に「八王子市芸術文化会館大規模改修基本計画」を策定した。2023年11月から全館休館の上、大規模改修工事を進めてきた。
初宿和夫八王子市長は「改修工事期間中はこれまで利用いただいていた八王子市民の方々に非常に不便をおかけした。そういったマイナスの要素もありながらも、これまで市の中心部にある『いちょうホール』で行われていたさまざまなイベントが、例えば南大沢文化会館で行われ、南大沢を生活圏とする多摩ニュータウンの方々も八王子の伝統文化などについて身近に知ることができ、市民活動が広がる機会になるなど、『いちょうホール』が使えなかったことによる効果も実感している。この改修工事は八王子全体で考えたときにプラスになった思う」と話す。