八王子商工会議所（八王子市大横町）が現在、八王子の街の情報を集めた無料タウン誌「らぶはち」を配布している。

スーパーに置かれた「らぶはち」のブックスタンド

　市内の商店街の会長らが集まって同商工会議所内に設けられている「まちづくり八王子」が企画・制作した同誌。八王子駅南口の再開発地域の街開きに合わせて、11月10日に創刊号を発行した。

　「八王子の情報を市民の皆さんにちゃんと知っていただきたかった」と同誌に携わる同商工会議所の北島さん。「このような取り組みをしている商工会議所は全国でも数少ない」。企画を立ち上げたのは1年前。商店街の人などから話を聞きながら、今年のゴールデンウイーク過ぎから半年かけて1冊にまとめた。

　北島さんは「中心市街地の活性化を考えていくとき、ほかの街にはない八王子らしさというものをちゃんと伝えていく必要がある」と企画を立ち上げた経緯を振り返る。「市民の皆さんには『商店街ってどういうものなのだろう』という思いもあると思う。そういう情報をこれまで伝えられていたかというと問題があった」。

　創刊号のテーマは「あたらしい八王子、始動」。南口の再開発ビル「サザンスカイタワー八王子」や駅ビル「セレオ八王子」に出店する各店を特集として取り上げる中、北口のさまざまな商店街の中から個性豊かな店を紹介するコーナーも設けた。「これまでほかの媒体では取り上げてこなかったような店にスポットライトを当てたかった」と北島さん。「商店街のお店はフェーストゥーフェース」と各店の店主や店員を大きく取り上げるなど工夫も凝らした。

　読者のコアターゲットは20～40代の女性。このため、道の駅「八王子滝山」（滝山町1）の協力を得て地元野菜を使った料理のページを設けるなど読み物としての楽しさを追求。表紙やページのレイアウトにもこだわったという。

　発行部数は5万部。発行日から2日間、駅前で手渡し配布したところ1万5,000部が瞬く間になくなった。「皆さんのほうから取りに来てくれたことに驚いた」。現在は「スーパーアルプス八王子駅南口店」（子安町4）など市内各所に置いたブックスタンドで配布するが、補充後2、3日でなくなるという。「5万部も作るのは怖かったが、トータルとしては大成功だと思う」と北島さん。

　次号は3月末に発行予定。内容は未定だが「新入生や新住民の皆さんが楽しめるものにしたい」と北島さん。