仕出し料理店の「四季会席 葵」(日野市高幡)は7月下旬ごろから、同社八王子営業所が開発した八王子産の桑の葉を使った生麺「桑の葉うどん」の提供を始める。
2006年創業の同店。会議などで食べられる弁当やパーティー、法事などでのケータリングサービスや個人向けの料理宅配、高齢者向けの安否確認を兼ねた弁当宅配、出張にぎりずしなどの事業を手掛けており、グループ店として京王線・高幡不動駅側にすし店「すし おおまさ」(高幡)も展開する。
「桑の葉うどん」は、八王子横山町に設ける製造工場を兼ねた同営業所が企画・開発。「日野・八王子周辺は昔から養蚕業が盛んで、この桑の葉をうまく生かせないかと考えた」と同社山下さん。今年4月ごろから開発を始め、製品化にこぎ着けたという。「乾麺だと大きな工場が必要になり大変。広く親しまれていることからうどんを選んだ」という。
特徴は地元の契約農家から仕入れた桑の葉の新芽を使っていること。地域の活性化なども見込み、畑の選定から自ら行った。「桑の葉は生命力が強く、すぐに伸びてしまう。これを活用できないかと考えた」と山下さん。既に粉末の桑の葉を練り込んだ商品などはあるが、「桑の葉は堅いので加工が大変だが、生の葉を手でつぶして使うことにした」とこだわりを見せる。「亜鉛、鉄分、カルシウムなどの栄養分が豊富なことが売り」。現在、製麺までの工程に20~30人のスタッフが関わっており、「手間暇がかかっている」とも。
既に出前では提供を始めているほか、「すし おおまさ」では利用客に「試験的に」食べてもらっているという。「歯応えがあり、のど越しも良く、お客さまからは好評」。7月下旬から同社の通販サイトで販売を始めるほか、9月中旬には高幡不動尊(高幡)の境内にスペースを設けて販売を始める予定。「境内に設けるスペースでは試食もできるようにする」と同社金田さん。「地元のお土産として、さまざまな店舗で販売できるようにもしていきたい」と多摩地域の新たな特産品を目指す。
今後について、「うどんに入れる薬味の開発も始めている」と山下さん。「ほかの地方では採れないような野菜もある。今後も地域を生かした商品を作っていきたい」とも。
通販サイトでは5~6人前分に当たる、300グラムの商品を2袋1セットで販売。価格は800円。