数理コンサルティングやデータ分析などを手掛ける「Shannon Lab(シャノン・ラボ)」(八王子市大谷町)が開発し、光学部品の設計・開発などを行っている東亜理化学工業(小宮町)がこの春から導入した、人工知能を利用した労務管理ソフト「人工知能係長」が話題を呼んでいる。
ソフト側から質問を投げ掛け、それに答えていくことで適切な労務管理が行えるという同ソフト。シャノン・ラボ社長の田中潤さんが中心となって作り上げた。
田中さんは、これまでアメリカの大学で数学の一分野である測度論などを研究。昨年同社を立ち上げ、これまでの研究成果や技術を生かして、対話形式で有名人を当てる「Mind View」や、しゃべった内容をツイートする「しゃべってツイート」などのソフトを開発。iPhoneなど携帯端末向けに発表してきた。
今回は、「Mind View」のノウハウを生かし、入力された情報をサーバー上の学習型人工知能プログラムで処理。これまで蓄積したデータなどを用いて判断を行い、目的の規定などを答えとして提示する。操作はキーボード入力の形を取っているが、「希望があれば対話形式の音声入力にすることもできると思う」と田中さん。開発に当たっては東亜理化学工業の意向を取り入れながらブラッシュアップを図り、必要に応じて問い合わせのメールを出し人間に判断を求める機能なども加えたという。
今後はアニメーターなども巻き込んで勉強会を開いていく。彼女との対話を楽しむようなアプリケーションの開発なども進めていく方針。「ソフトウエアはある」と田中さん。「集まる人次第だが、キャラクターを作ることができて動かせる人が参加してくれれば」と期待を込める。