八王子市高月地区産の米で造られた純米吟醸酒「高尾の天狗」の出荷が4月21日、始まった。製造・販売するのは舞姫(長野県諏訪市)。
「高尾の天狗」を手掛けた蔵主の西仲さん、顧問の市川さん、営業本部長の塚本さん
代表銘柄「信州舞姫」「翠露(すいろ)」で知られる同蔵元。八王子在住の蔵主・西仲鎌司さんらが八王子のまちおこしのため、地元農家とタッグを組み、1年がかりで造り上げたという同商品のアルコール度数は15度、味は甘口という。「女性にも適している。うま味もあるので、普段酒をあまり飲まない人にも飲んでほしい」と西仲さん。出荷本数は限定2200本を用意する。
酒造米「山田錦」「五百万石」の種もみを用意するとこから始まったという今回のプロジェクト。ボランティアの手も借りながら、苗床を作るところから手掛け、酒造りの際には、道の駅「八王子滝山」などでも販売している地元農家生産の食用米「キヌヒカリ」を使うなど八王子産にこだわった。「農家の方も八王子のまちおこしの方なら一肌脱ぐと言ってくれた」と同社営業本部長の塚本さん。
ラベルには、高尾山薬王院貫首の大山隆玄さんが揮毫(きごう)した「高尾の天狗」の名と共に、同寺の開運うちわや天狗をデザイン。今月16日には、家内安全や商売繁盛、開運の願いを込め、同院でラベルの祈願も行った。塚本さんは「クオリティーの高いものができた。飲んだら運が開ける酒ということで、飲み終わったら空き瓶を部屋に飾ってほしい」と話す。
今回は2200本の限定生産となっており、ロットナンバーも入れられる。「ラベル貼りなど手作業も多いことから、今年は利益度外視。広く浅く口コミで小さなヒットを作っていければ」と西仲さん。
八王子駅構内の山梨・多摩エリアの特産品を集めた店「やまたまや」(旭町)など市内を中心に販売するほか、地元飲食店でもメニュー提供する予定。西仲さんは「今年は農家の方と3倍の量の米を作ろうと話をしている。ゆくゆくは八王子を発信するブランドとして育て、多摩全域に広めたい。昨年、旧経営陣から120年続く会社を引き継ぎ『生まれ変わった』舞姫はこれまでと違うと思ってもらえれば」と意気込む。
価格は、720ミリリットル入り1本=1,512円。カートン入り=1,674円。